PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。
半導体の研究開発コミュニティにおける冬の恒例行事、国際電子デバイス会議(IEDM)が12月3日に始まりました。
Intelは、事前にNDAベースのIEDM講演概要説明会を報道関係者向けに開催しました。その内容と、3日にダウンロード可能になったテクニカルダイジェスト(論文集)の内容を基に解説記事を作成しています。
8件の一般講演の中で最も苦労したのが、電気磁気効果(あるいは磁気電気効果)を利用したスイッチング素子の研究発表です。強誘電体と強磁性体は何度か記事にしていますが、電気磁気効果の記事は初めて。関連論文を読むと、極低温環境でしか生じない効果(厳密には室温だと効果が小さすぎて実用的な意味がない)だとの論文があったり、一方で室温で電気磁気効果を実験している論文があったりと矛盾があるように感じて混乱しました。本当は矛盾ではなく、室温で大きな電気磁気効果を生じる材料(BiFeO3)が発見されたことがブレークスルーになっていたという。ここにたどり着くまでに数時間を要しました(泣)。
あと残念ながら良く分からなかったのが、強誘電体メモリでハフニウム酸化物の強誘電体キャパシタを垂直に積層する研究です。多値記憶方式のメモリセル技術に見えなくもない、のですが論文にはそのような記述がありません。それでは何のために強誘電体キャパシタを積層したのでしょうか。誰か分かる(推定できる)方、教えていただけると助かります。
忘れてました。お手すきのときにでも、記事を読んでいただけると筆者が喜びます。