EETimes Japan様から頂いておりますコラム「デバイス通信」を更新しました。
前回の続きです。AMDが発表したサーバー向けプロセッサ「第4世代EPYC」の拡張記憶(CXLメモリ)を解説しています。
前々回はキャッシュを説明し、前回は主記憶を説明し、今回は拡張記憶を説明する、という流れです。
CXL(物理層はPCIe Gen5)経由でメモリを拡張することには、いくつかの利点があります。まずは接続する半導体メモリの範囲が広がることです。EPYCプロセッサに限らず、最近のCPUがサポートする主記憶用メモリは一種類であることがめずらしくありません。例えばEPYC 9004シリーズは、DDR5 DRAMのRDIMM(および3DS RDIMM)だけをサポートしています。
ほかのメモリが使えないというのは、不便です。CXLインタフェースですとメモリコントローラ(メモリバッファ、メモリエキスパンダなどと呼ばれる)を介して半導体メモリを接続するので、設計の自由度が大幅に高まります。コントローラが対応していれば、なんでもあり、ということになります(原理的には)。
すでにいくつかの半導体メモリ大手が、CXLメモリを開発し、出荷を始めています。
お手すきのときにでも、記事をお読みいただけるとうれしいです。