Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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コラム「デバイス通信」を更新しました「伝導液冷の強制空冷に対する優位性」

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「デバイス通信」を更新しました。
新シリーズ「AIサーバの放熱技術」の第13回となります。
前回は今後のハイエンド・ラックマウントサーバで主流となりそうな「間接伝導(液体)冷却」の概要をしました。

今回は伝導液冷(間接伝導液体冷却)が、強制空冷(強制対流空気冷却)と比べ、どのような点で有利なのかの説明です。

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伝導液冷の特に有利な点は、放熱に必要な電力が下がることにあります。それから、騒音が減ることも重要です。データセンターといっても各種各様で、数多くの送風ファンが発生する風切音などの騒音は、サーバルーム内で作業する人員の環境を悪化させる要因となっています。

以下は蛇足です。

個人的な経験による感想なのですが、小型ファン(パソコン作業時の扇風機代わり)の騒音は千差万別です。風切音のほかに、羽根の回転振動と筐体が共鳴する騒音がかなりきつい(嫌な音がします)。だいたいの見当としては、羽の枚数が多い方が騒音が低い。例えば小型ファンには羽がたったの「3枚!」という騒音撒き散らし製品がありました(USB充電タイプ)。買って後悔した一品です。小型ファンでは羽が7枚というのが標準かと思います。7枚品の小型ファンは2つ所有していますが、1つは騒音が少なく、もう1つはかなりうるさいです(といっても3枚品よりはましですが)。

あともう一つ、古い設計の送風ファンは消費電力が大きいというか、大きすぎる傾向があります。またUSB充電に対応していない製品も困ります。古い送風ファンは単3乾電池4本も食うのに、すぐ電池が消耗します。設計が下手すぎです。新しい設計の送風ファンは消費電力が少なく、USB充電に対応しており、しかもかなり静かでした。でも3枚羽はダメです。3台購入して満足できるのはたった1台という状況です。現場からは以上でした(爆)。



コラム「デバイス通信」を1カ月ぶりに更新「高性能サーバを強制空冷から解放する液体冷却技術」

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「デバイス通信」を更新しました。
新シリーズ「AIサーバの放熱技術」の第12回となります。前回(第11回)で液体冷却の基礎を復習しました。

今回は今後の主流となるであろう、「間接伝導冷却」の概要説明です。

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「発熱体→コールドプレート(銅あるいは銅合金のプレート)→一次冷却水(純水あるいはグリコール混合液)→熱交換器(ガスケットプレート式熱交換器)→二次冷却水→冷却塔→大気中」の経路で熱エネルギーが移動していきます。


詳しくは記事をお読みいただければと存じます。

コラム「ストレージ通信」をさらに更新「キオクシアの四半期業績、過去最高の売上高と営業利益を記録」

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「ストレージ通信」をさらに更新しました。
NANDフラッシュ大手キオクシアの2024年7月~9月期(2024会計年度第2四半期)の四半期業績まとめです。

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なんだか絶好調です。売上高は過去最高を更新、営業利益も過去最高を更新しています。
この状態が続けば、念願の上場を果たせそうな気がします。


とはいうもののフラッシュメモリは景況の波が激しい(過去ずっとそうだったという意味です)ので、浮かれてもいられません。
「山高ければ谷深し」を警句としてアタマのスミに置いておきます。


業績について詳しくは、記事をお読みいただけると筆者が喜びます。

コラム「ストレージ通信」を続けて更新しました「HDD大手Western Digitalの四半期売上高が5四半期連続で拡大」

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「ストレージ通信」を続けて更新しました。
恒例のHDD大手2社が発表した四半期業績を説明する回の後半です。
後半はHDD大手Western Digital(WD)の四半期業績まとめです。

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WDの事業はHDD事業とフラッシュメモリ応用品事業で構成されております。売り上げ比率はおおむね半分ずつです。
どちらもクラウドデータセンター分野による需要が回復したことで増収増益となりました。

逆にクライアント分野とコンシューマー分野は、あまり調子が良くありません。
売り上げ高は横ばい、あるいは微減の傾向にあります。
BBCテレビで放映した、労働分配率に関する企画番組によると
世界全体のGDPに対する労働分配率は2000年以降ずっと減少傾向にあり、2023年(2022年かも)には52.5%(by ILO)で、21世紀としては最低の水準だそうです。
経営者と従業員の格差がこの25年近く、拡大し続けている。その結果が最近の労働争議(特にストライキ)の頻発につながっているとの指摘でした。

代表的な労働争議は・・・

米国Boeingのストライキ(7週間)
米国ハリウッド 俳優協会と脚本家協会のストライキ
インドSamsungストライキ(1ヶ月と数日)
英国 鉄道労働者のストライキ
英国 看護師、救急隊員のストライキ
ドイツ 鉄道運転士のストライキ
韓国 研修医による職場離脱
アルゼンチン 航空業界におけるストライキ
そのほか・・・

・・・もうやめます(泣)。


世界的な物価上昇によって労働者イコール消費者の購買力が低下していることがうかがえます。
厳しいです。