Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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コラム「デバイス通信」を更新。「半導体チップの高密度3次元積層を加速するハイブリッド接合」

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「デバイス通信」を更新しました。
シリーズ「2022年度版 実装技術ロードマップ」の第66回となります。

eetimes.itmedia.co.jp

今回からパッケージ組み立て技術を解説している章節に入ります。
始めは「ハイブリッドボンディング」こと「ハイブリッド接合」です。

ウエハ同士、あるいはシリコンダイとウエハを直接接続する技術は従来、何らかの接続素子を介してきました。
はんだバンプが代表的な接続素子です。
例えばシリコンインターポーザ(シリコン中間基板)の上にはんだバンプを介してシリコンダイを載せるという3次元実装がふつうでした。

ハイブリッド接合のすごいところは2つあります。1つは直接接合であること。介在物がありません。こうなると電極(銅電極)をウエハープロセスで形成できるので原理的には接続ピッチを恐ろしく狭くできます。

もう1つは接合を形成しているのが絶縁膜と電極の両方であること。表面全体が接合を形成しているのです。表面は絶縁膜がわずかに突出しており、電極は凹みを作っています。これは電極が表面から突出せず、保護されているとも言えます。
そして接合を形成する順番があり、始めに絶縁膜が接合を形成します。絶縁膜の接合形成によって絶縁膜界面付近が圧縮され、結果として銅電極同士が接触します。そして銅の相互拡散によって接合が作られます。
直感的に理解できるのは、ハイブリッド接合は強固な接合であることです。


ただし。大問題が1つあります。不良が発生したときにリペアができないことです。ウエハ全面に膨大な数の接合点があり、そのいくつかが接続不良になったとしても、ウエハを剥がせない。そもそもウエハ(接合後)の段階でテストをどうするのか、という問題もあります。この問題についてはふれておりません。


詳しくは記事をお読みいただけるとうれしいです。

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