Electronics Pick-up by Akira Fukuda

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想像力と没入感が怖さを3倍増させる。おっさんには小説とゲームが怖くて、マンガと映画があまり怖くない理由

怖い話と怖いコンテンツが大好きだ。でも臆病なのでいろいろと困ったこともあった。

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とにかく子供のときは、怖いものだらけだった。姉が持っていた少女マンガ雑誌を読んで、わたなべまさこ先生のホラー漫画を読んではトイレに行きづらくなったり、楳図かずお先生の恐怖マンガを読んでは眠れなくなったりした。


(注)まさにタイトル通り。恐怖マンガの短編集の第2巻です。第1話の「うばわれた心臓」が、心理外傷クラスに怖かった。純真な子供時代の自分にとっては、夜に布団の中で「絶対に思い出してはいけない(トイレにいけない)」作品トップにしばらく、君臨しておりました。


小学生になっても。怖いものはたくさんあった。天井の模様がおばけの顔に見えて怖い。タンスの取っ手が何かの顔に見えて怖い。いろんなモノが「顔」に見えてしまって怖かった。眠れなくなったりした。


中学生になっても、まだいろいろと怖かった。相変わらず寝ようとすると天井の模様が怖かったし、暗闇が怖かったし、変なスポット状の明るいものが暗闇に見えたりするともっと怖かった。あとラップ音とか聞こえて恐怖に震えたりした。


一応、言っておくと。自分は霊感はゼロといって良い。大人になってから、いわゆる「視えてしまう人」の本をいくつか読んだ結果、自分はこういったものがまったく視えていなかったし、聞こえてもいなかったし、そもそも感じてもいなかった。

視えるんです。(1) (HONKOWAコミックス)

視えるんです。(1) (HONKOWAコミックス)


(注)視える漫画家さんによる傑作「視えるんです」。3巻までを繰り返し読んだ。たぶん30回くらい。このマンガのおかげでどのくらい勉強になったか。霊感ゼロの貴方が、霊感ありありの人の世界観を知るための必携本といえます。


そして大学を卒業して社会人になって。
プライベートでは。結婚とか離婚とか再婚とか。子供(人間ではないけど)を育てるとか。いろいろあって。
仕事では。配置転換とか退社とか、転職とか、出世とか、解雇されたりとか、フリーターになったりとか、もう一度サラリーマンになろうとして挫折するとか。結局フリーターで一生を送る覚悟を決めるとか。これまたいろいろあって。


気がつくと。天井の模様も壁のシミも暗闇も別に怖くなくなり。ラップ音はまったく聞こえなくなり。たまに変な音が聞こえてもまったく気にしないし。こころが摩滅したおっさんに成り果てていた。

それよりも、現実の人間の方が、はるかに怖い。無差別殺人・殺傷のたぐいは手始めで、リンチ殺人とか、シリアルキラーとか、動物虐待・虐殺とか。人類が、「人類そのほかの生き物の膨大な生命を奪ってきた歴史」そのものが、十分に地獄行きだし、数億倍も怖い。


それでもなお。怖いのは小説とテレビゲーム(PCゲームを含む)だろう(注:個人の感想です)。
すでにご紹介したゲーム以外でとても怖かった作品は、PCで読むサウンドノベルだ。サウンドノベルのホラーといってしまうと分かってしまうかも。
そう。アレだ。

ひぐらしのなく頃に」シリーズである。この作品は、おっさんである摩耗した外殻を突き破って中の臆病な生卵のようなココロを引きずりだされる怖さがあった。このシリーズは、後半の「解」を含めて8本の作品が出ているのだが、全部読んでしまった。読まずにはいられなかった。それぐらい、面白くて、かつ怖かった。そして同シリーズは商業作品ではなく、同人作品なのだ。作者の竜騎士07氏は、現在では商業誌で大活躍されている。当然だと思う。

(注)これは第1作をコミックス化したもの。マンガでも結構に怖いです。手軽にいくならこちら。怖さを堪能するなら、同人ショップで原作を読むことをおすすめします。


同じ作者による次のシリーズ、「うみねこのなく頃に」も発売と同時に次々と購入した。これもものすごく怖いのに、とめられない。後半の「散」シリーズを含め、全8作品をすべて読んでしまった。これも同人作品で、PCプラットフォームのサウンドノベル。「ひぐらし」の成功によってリソースが大幅に増え、サウンドやオープニングなどの品質が格段に向上した。

(注)これも第1作をコミックス化したもの。


PCプラットフォームのサウンドノベル、そしてテレビゲームの怖さは、没入感にあると思う。テキストとサウンドの相乗効果によって没入感が異常に高まり、恐怖が倍増する。テレビゲーム「バイオハザード」を遊んだときは、ドア(扉)を開ける音(あの音です!!)だけでも、すんごく怖くて、ドアを開けるためにコントローラのボタンを押すことをためらったりしたくらいだ。


小説はテキストだけなので、没入感という点では劣るものの、想像力という強力な恐怖アイテムがある。想像することが怖さを増幅させる。といっても自分はSF小説主体の読書人生だったので、ホラー小説には詳しくない。SF作家の書いた怖い短編小説はあるが、残念ながら、紹介できるほどの力量が自分に不足している。ご容赦願いたい。


ホラー小説ではないが、「都市伝説や実際の未解明事件などを扱った映画」を事実から解説する書籍に「映画で読み解く都市伝説」がある。
きわめて真面目な作りの書籍で、未解決事件や超常現象などの映画の真実が知りたい(たとえ脱力することになっても知りたい)方向けだ。

ここで紹介されている事件「ディアトロフ・インシデント」がものすごく怖かった。実在の未解決事件で、淡々と解説されている。
その内容が不条理というか、不合理なので、すごく怖い。こういう不合理さが自分は苦手なんだと理解させられた。

映画で読み解く「都市伝説」 (映画秘宝COLLECTION)

映画で読み解く「都市伝説」 (映画秘宝COLLECTION)



(参考Wiki
ディアトロフ峠事件 - Wikipedia





小説とゲームに比べると、マンガと映画はそれほど怖くない。おっさんになってしまった今の自分にとっては、であるけれども。
トイレに行けないくらいの恐怖(子供のころだけ)、風呂にひとりで入っていて思い出すとゾッとしてしまうという恐怖(「ひぐらし」ではこれがあった)とかは、あんまりない。


ものすごい恐怖はないけれども、楽しめるとか、面白いといったことでは、小説やゲームなどと同じくらいに楽しいし、面白い。
超常現象を扱った映画では「フィラデルフィア・エクスペリメント」がかなり面白かった。


フィラデルフィア・エクスペリメント」こと「フィラデルフィア実験」については、すでにご紹介した「超常現象の謎解き」ウエブサイトで謎が解かれているので、ご興味のある向きはこちらへどうぞ。

www.nazotoki.com


ホラーというか、スプラッタというか。そういったマンガではシリアルキラーを描いた「殺戮モルフ」がかなり面白い。
3巻まで発刊されており、まだ完結していない。シリアルキラーに関する解釈が興味深く、また、続きが読めないという面白さがある。続きを楽しみに待っている。

(注:こちらは第1巻。残虐なシーンがものすごく多い。肉体破壊シーンが苦手な方は読まないこと。自分はフィクションであれば首が飛んだり腕が飛んだりしてもかなり大丈夫なので、読める。むしろ、こういう残虐な絵を描く、作家さんのストレスを心配してしまう(余計なお世話ですね))

ちなみにこの作品は原作が外薗昌也氏、作画が小池ノクト氏、というコンビであり、両方の作家さんの作品を以前から読んだことがある、という。要するにタダのファンなのだが。


外薗昌也先生は、絵柄がものすごく変貌してきた作家さん。同一人物とは思えないくらい、時期によって絵柄が変わっている。人類悪玉SF作品「犬神」がわりと知られているようだ。このあと、ホラー作品を手がけておられる。でも自分は初期の先生の絵柄と作品にはまったクチだ。大傑作(個人的な感想です(苦笑))、「サイレントランナー」と「ボイス」、「エンヴリオン 」でどはまり。とにかくカッコよかったのが「サイレントランナー」。人類救済に涙した「ボイス」、お笑い宇宙王子もの(?)「エンヴリオン 」もかなり楽しめた。


Silent runner (白夜コミックス)

Silent runner (白夜コミックス)

Voice 1 (ジェッツコミックス)

Voice 1 (ジェッツコミックス)

(どれも絶版なのが惜しい。せめてサイレントランナー(Silent Runner)だけでも電子書籍化してくれないものか)


そして小池ノクト先生。出会いは深海恐怖マンガ「ロクセン」。タイトルは6000メートルの深海という意味。この作品は設定は素晴らしいのだが、シナリオというかストーリーが説明不足というか、破綻しているように感じて。最後まで読み通したが、ちょっと辛かった。


小池ノクト先生の作品で個人的に唸らされた傑作は「蜜の島」。全4巻と短く、最後まで一気に読める。

蜜の島(1) (モーニングコミックス)

蜜の島(1) (モーニングコミックス)


「蜜の島」は、戦後の間もない時期、地図に掲載されていない日本のとある島に行くことになった主人公と少女を軸に、物語は展開する。その島の風習がかなり変わっていて。最初の1巻がちょっときつくて一度、挫折したのだが、その後、第3巻まで読んで、かなりの怖さと面白さに引き付けられた。深まる謎に、続きが読めない。つまり、楽しい。そして驚愕の最終巻(第4巻)。こちらは正直、すごい謎解きに驚愕させられた。傑作。


あああああ。すみません。もう1つ、紹介したい作品があったのですが・・・・。
今回は時間切れのようです(←オイ)。すみません。次回をお待ちください。