Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

コラム「セミコン業界最前線」を更新。「5年後の3D NANDは8Tbit/シリコンダイ、512TB/SSDへ」

PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。


pc.watch.impress.co.jp


【福田昭のセミコン業界最前線】5年後に512TB SSDの実現に向けて突き進む3D NAND技術 - PC Watch


はっきり言って「ホラ話」です(爆)。
5年後には以下のようになるという予想です。
3D NANDフラッシュメモリのシリコンダイが8Tbitの記憶容量となり、
そのシリコンダイを16枚内蔵したBGAパッケージの記憶容量は16TB(128Tbit)となり、
このBGAパッケージを32個搭載したSSDの記憶容量は512TBになります。


重要なのは、3D NAND技術の将来予測ロードマップに、「512層」という超々高層が載ってきたことです。
今回のFMS 2018では、フラッシュ業界およびSSD業界で、このような目標を見出すようになった。
512層とQLCを組み合わせると、どうなるか。現在の技術をそのままスライドさせると上記のようになります。


そして現在の技術開発の進行速度が「今後もずっと維持される」と仮定すると、512層の登場時期が西暦2023年ころになる、ということです。
2023年というのは、5年後です。1年で2倍、という現在の開発速度が続くと、こうなるということです。
理屈は分かるのです。でも結果には筆者としても、かなりくらくらしております。目眩がします。


「ワンシリコンで1TB(テラバイト)???」。「それが5年後???」。


ところが。実績がそう語っている。2013年に3D NANDは128Gbitでした。それから5年後の2018年、つまり今。3D NANDは1Tbitになっています。
つまり「過去5年で8倍」です。それを「今後5年で8倍」に置き換えると、2023年には8倍の8Tbitになってしまう。あれ???


こうなると、心配なのはHDDの未来です。読み出し主体の用途では、未来が厳しいです。

NANDフラッシュ、特にQLC方式は書き換え回数が激減するので、記憶容量は大きくても書き換えはあまりできない。
記憶容量を最大化したSSDは読み出し主体の用途限定となりそうです。言い換えると、HDDが苦しい。


HDDは書き換え回数の制限がないので、書き換え回数の多い用途で使われる、と考えられます。
でも例えば128TBもの容量を頻繁に書き換えるのは、エンタープライズに限定されるでしょう。
コンシューマではそんなには書き換えない。
しかも最近では巨大なデータがストックではなく、フロー(ストリーミング)となる傾向が見えます。動画視聴サイトではデータを保存しません。


また、QLC方式で8Tbitということは、SLC方式でも2Tbitだということです。ここが重要です。SLC方式にすると、読み書きの速度が向上するとともに、書き換え回数が一気に増えます。SLC方式でも、ワンシリコンで256GBあるんです。つまり、512層でSLC方式の3D NANDは高速で、書き換え回数が多い、SSDやフラッシュストレージを実現できる。そうなるとHDDの可能性が、さらにに狭まります。


3D NANDが512層になる時代とはどのような時代なのか。興味は尽きません。