Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

VLSIシンポジウム(ハワイ)に米国メディアが参加し、日本は日経が参加者寄稿で入国管理法違反(?)という件

米国ハワイ州ホノルルで国際学会「VLSIシンポジウム」が開催されました。
会場はいつも通り。ヒルトンハワイアンビレッジです。

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写真は、宿泊したヒルトンハワイアンビレッジ(タパタワー)からの眺めです。きれい。


今回はとてもめずらしいことに、米国のプレスメディアがいくつか、参加しました。
そしてさらにめずらしいというか、たぶん初めて「プレスルーム」が設けられました。ありがとうございます。
同じくたぶん初めて「プレスランチヨン」が開催されました。ただしインフォーマルミーティングでしたが。


前回のハワイ開催、つまり2016年では。プレスで参加したのは、たった一人だけでした。オンリーワン!?
つまり自分だけです(爆)。あまりのことに脱力しましたが。ハワイと米国本土間の航空運賃は高いんですよね。それが原因かも。
でも、そもそもシンポジウムも知名度が低いのかもしれない。


そこでといいますか。米国のPRエージェンシーがすごく頑張ったようです。
例えばIEDMのプレスルームで、VLSIシンポジウムのプロモーションをしたり。

eetimes.jp

IEDM 2017の記者室にVLSIシンポジウムの実行委員会が乱入 (1/3) - EE Times Japan


これはIEDMのPRエージェンシーがVLSIシンポジウムのエージェンシーを兼ねたことからできたとも言えます。
ほかにもあります。今回は次々とプレスリリースが送信されました。

努力の成果が、いくつかの米国プレスの参加となったようです。ZDNet、Solid State Technologyなどです。ほかにもいらっしゃったのですが、メディア名がわかりませんでした。
そして日本のメディアは、ゼロです。自分を除くと、ですが。あちゃー。オンリーワン!?


プレスルーム。ありがたかったです。でもIEDMやISSCC、VLSI(京都)などのプレスルームとは違いました。
コンセント以外、何もないのです。
あ、もちろんテーブルと椅子はあります。でも水とかコーヒーとかはなし。ちょっと寂しいかな。


日本のメディアでは日経がレポート記事を連発していますが。
またもやVLSIの委員やセッションチェアなどの「日本人」に原稿を書かせるという危ない作戦に。

tech.nikkeibp.co.jp

このやり方。しばらく前に日経とものすごくトラブったんですよ。
これって、日経が「報道記事」を日本人の学会参加者に書かせているということです。

つまり日本人が「米国に入国して報道に関する活動」をしているということ。
厳密に言えば、ジャーナリストビザが必要な行為なのではないか、という疑問です。入国管理法違反ではないのかという。
言い換えると、執筆者に対する悪意を持った人間が、このことをもって米国当局に通報できるのです。
「ジャーナリストビザなしで報道活動をしている」と。


でもってですね。日経の見解は「彼らは学会の聴講ないしは発表が目的であり、当社への寄稿記事は副次的なものであるから、報道活動を主な目的とした入国ではない。だから問題はない、と考えている」というものでした(回答テキストそのものではありません)。


日経がこのように考えるのは自由です。勝手にやってください。ただし問題は残ります。
自分が調べた範囲では、日経は寄稿を依頼するときに「上記のリスクを執筆者に説明していない」ようなのですね。
ジャーナリストビザなし、リスク説明なし。これが大マスコミ様のやることです。
コスト節約のためには、グレーゾーンもお構いなしです。


本当に誠意を持って真摯に寄稿を依頼するのであれば、まずリスクがあることを前もって説明すべきです。
そして希望者には、1回切りの査証を発行すべきではないでしょうか。
1回切りの査証申請であれば、大出版社である日経にとっては大した手間ではなく、コストもわずかです。


別の手段もあります。執筆者を入国管理法違反から守るために、匿名とするのです。
例えば「特別取材班」といった名称の著者名で記事を掲載する。
こうすれば、執筆者が分からないのでリスクがほぼゼロになります。


あのねえ。日経さん。マイナー学会には数十万円もかけて記者をさんざん派遣しておいて。
半導体の三大学会であるVLSIシンポジウムに記者を派遣しないというのは、なんなんでしょうか。
ちょっと、理解できないですよ。


入国管理法違反は恐ろしいリスクです。
軽くて別室送りで数時間の取り調べです。乗り継ぎ便に必ず、乗り遅れます。そして罰金です。
重いと、強制退去の上に、しばらく入国できなくなります
(何回も寄稿していたことが発覚した場合、悪質と見なされる恐れがあります)。


これだけのリスクがあることを「まったく説明せずに寄稿をお願いする」神経が、ふつうに理解できません。
事故が発生したら、どうするつもりなんでしょうかね。知りたいものです。