EETimes Japan誌に連載中のコラム「ストレージ通信」を更新しました。
STT-MRAM技術を解説するシリーズの第7回です。
「MRAMの記憶素子「磁気トンネル接合」」
http://eetimes.jp/ee/articles/1605/24/news021.html
磁気メモリ(MRAM)の記憶素子である「磁気トンネル接合(MTJ)」を解説しています。MTJを使って2値のデータを記憶し、読み出す原理を説明しております。
この回で、ついにエネルギーバンド図が登場します。半導体の世界では起こらない「電子スピンによるエネルギーバンドの分裂」が、強磁性体の世界ではごく普通なのです。いよいよ「スピントロニクス」の世界に入ります。
補足:電子が原因の磁気モーメントには電子軌道による磁気モーメントと、電子スピン(角運動量)による磁気モーメントがあると説明しました。強磁性体を含む金属では自由電子が大量に存在するので、MRAMでは電子スピンによる磁気モーメントだけを考えます。講演ではこういった基本的な事柄が省かれています。