Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

コラム「ストレージ通信」を更新。「MRAMの記憶素子MTJにおけるスピン注入磁化反転の動的ふるまい」


EETimes Japan誌で連載しておりますコラム「ストレージ通信」を更新しました。
スピン注入型磁気メモリ(STT-MRAM)における磁化反転の動的な振る舞いを解説しております。



「STT-MRAMの基礎(10):スピン注入による磁化反転の動作」
http://eetimes.jp/ee/articles/1606/03/news030.html


磁化反転における磁気モーメントの動きが「歳差運動(首振り運動)」であることを説明しております。磁気モーメントと磁化はベクトルなので、たいていは矢印で表記されます。この矢印はまっすぐ回転して反転することはありません。


実際には倒れかけた独楽(コマ)のように、矢印の先端を頭部とする首振り運動をします(味噌すり運動と呼ぶこともあります)。首を振りながら真横を向いてクルッと回転し、ほぼ反対の向きになると首を振りながら、首振りの半径を小さくしていき、ちょうど反対(180度の回転)の向きに収束します。


厳密には磁気モーメントが反転する軌道は「LLG方程式」と呼ばれる運動方程式に、スピンの項目を付加して方程式を解いて求めます。しかし本稿では数式(簡単なものは除く)を出さないで説明することを基本方針としているので、運動方程式までは踏み込んでいません。そのぶん、厳密さを欠いた説明になっています(専門家の皆さま、どうぞご容赦くださいませ)。