金融証券業界といえば、体育会系の代表のような業界です。そんな業界に入ったもののパワーハラスメント(パワハラ)を浴び続けて業界を脱出した方の体験談を綴ったコミック2点を推薦します。
初めは投資ファンドらしき会社に入社した新卒男性社員が体験したパワハラでブラックな日々を、描いたマンガです。
「ロスジェネ社員のいじめられ日記」
- 作者: 山下和馬
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/03/28
- メディア: 単行本
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実際にはマンガと文章を組み合わせた本です。1つのエピソードを描いた8コマのマンガがあり、そのエピソードを説明する短い文章が付く。これがワンセットになっています。内容は、数々のパワハラ(公開叱責、サービス残業、強制飲み会など)、無能が出世する情実人事あり、若手のやる気が下がりまくる組織運営あり、まったく意味をなさない施策ありで、読んでいてこんなひどい会社があるという現実に、なかなかに心を挫けさせられそうになります。実際に体験した著者が最も辛かったのは言うまでもありません。
救われるのは、そこはかとなくユーモアが混じっていることです。決して深刻になってノイローゼになったりとかはしません(といっても転職直前はかなり非道い精神状態になっています)。著者は前向きです。
次は、証券会社に入社した新卒女性社員が体験するパワハラの嵐です。
「雨宮鬱子の証券会社で働いたらひどい目にあった」
雨宮鬱子の証券会社で働いたらひどい目にあった (Next comics)
- 作者: 雨宮鬱子
- 出版社/メーカー: 宙出版
- 発売日: 2013/10/26
- メディア: コミック
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こちらの体験談はかなり深刻です。職場での上司と先輩社員がグループになって主人公にネチネチネチネチとパワハラを繰り返します。主人公が真面目て正義感が強くて責任感が強いという典型的な「病みまっしぐら」の性格なために、「うつ病」になって休職し、投薬治療をうけながら自宅で療養することになります。
主人公は自分が病気であることが最初は自分で認められず、葛藤します。職場を代えれば復帰できると会社に訴えるのですが、会社は元職場への復帰以外は認めようとしません。このあたりのやりとりもなかなかにしんどいです。
証券会社の商売の内実も描いてあります。ほとんど詐欺のような商売だと分かります。この内実が広まると、株式の売買に手を出す一般投資家は激減しそうです。
まずは、就活生を抱えるご両親に読んでいただきたい本かなと思います。
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