EETimes Japan様から頂いておりますコラム「ストレージ通信」を更新しました。
「強誘電体メモリの再発見(7):代表的な強誘電体材料(後編)〜その他の材料」
http://eetimes.jp/ee/articles/1707/24/news029.html
記事では始めに有機高分子の強誘電体材料を紹介しています。その代表がポリフッ化ビニリデン(PVDF)です。
PVDFは自分にとってはとても懐かしい材料です。日経マグロウヒル社に入社したばかりの1984年に、PVDFフィルムの圧電性に関する記事を日経エレクトロニクス誌に書いた記憶があります。
PVDFフィルムの圧電性を利用すると、薄くて平面状のスピーカーが作れる、あるいは柔らかくて曲げられるので生体表面の曲面にフィットした超音波探傷子が作れる、といった応用の可能性が論じられていました。
PVDFフィルム関連の取材で鎌倉市にある東レの研究所を訪ねた(新人なので、もちろん大先輩記者と一緒です)という記憶があります。何を取材したのかはさっぱり覚えていないのが悲しい・・・。
覚えているのは、東海道線(あるいは横須賀線だったかも)の車内でプレスリリースの紙を広げていたら、後で大先輩記者に怒られたことです。クロスシートの座席には、東レの広報担当者が同席していました。そしてプレスリリースは他社が編集部に送ってきたものでした。つまり、「他社の広報担当者の前で、プレスリリースを見せてはいけない(見られる可能性のあるような行為はしてならない)」。読まれる可能性そのものが問題なのではなく、東レの広報担当者から、「この記者は東レのリリースも同じように他社の人間の前で広げて読むんだな」と思われてしまうことが問題なのです。
それからプレスリリースの扱いには、すごく慎重になりました。
今では企業のウエブサイトで誰でも、プレスリリースを読める時代です。隔世の感がありますね。
脱線しました(汗)。記事の後半では、新材料である二酸化ハフニウムを紹介しております。元々は高誘電率材料として、半導体製造の世界では良く知られていた材料です。それが強誘電体になることがある、という大発見が2011年にありました。それが再発見の始まりです。