Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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日本の2010年代は「終わりの始まり」か「始まりの終わり」か(そのいち)

新年あけましておめでとうございます。

2010年の始まりです。そして2010年代の始まりです。


2010年代の世界はどのように変化していくのか。
そして、2010年代の日本はどのように変化していくのか。
こういったテーマをメディアには期待していたのですが、存外、見当たりません。
1月にはいろいろと出てくるのかもしれませんが。


自分を含めて私たちは、変化とは連続的であると考えがちです。しかし実際の変化とは、非連続的なものであり、断絶しているものであることを2000ゼロ年代(2000年〜2009年)に私たちは学びました。


例えば2008年の世界同時不況を予測できた経済学者はごく僅かであり、しかもその予測は当初は絶対多数によって無視されました。


2000年代の前半に半導体産業はこれまでよりは低いながらも、堅調に成長するとの予測が絶対多数を占めていました。しかし実際には2008年に、多くのアナリストが本音ベースでは「予測不可能です」とさじを投げてしまうほどの景気後退に見舞われました。


2009年にはメディアの不況感が一気に強まりました。紙媒体の低落はすでに予測されていたものでしたが、ウエブメディアでも閉鎖や統合、予算削減などが相次きました。メディアそのものの将来に影がさしています。米国では日本よりも早くから新聞や雑誌などの休刊が相次いでいましたが、数年遅れで日本でも始まってしまった、ともいえそうです。


2010年代を見通すときに明確なことは、2000ゼロ年代にすでに起こっていることでもあります。
皆様はすでにご存知のことと思いますが、議論の出発点としては現状認識から始めましょう。


分かっていることそのいち)世界の中心軸は欧米(米国と西欧)から、アジア(中国とインド)へとシフトしつつあること


分かっていることそのに)貨幣換算できない市場または疑似的経済活動(例えばフリーミアム)が欧米を中心に急速に立ち上がりつつあること


分かっていることそのさん)日本経済の大半は製造業ではなく、非製造業が支えていること


分かっていることそのよん)女性の優位性強化と女性性の商品化が同時進行していること


分かっていることそのご)少数が多数を支える構造が世界的規模で拡大していること


分かっていることそのろく)理性(論理)ではなく、感情(心理)によって行動が規定される局面が増大すること


分かっていることそのなな)欧米および日本の民生市場では、優れた商品/サービスだけが存続できるようになること


分かっていることそのはち)世界全体で日本の占める政治的および経済的比重が、さらに低下していくこと


分かっていることそのきゅう)民生市場では消費者の金銭を取り合うことではなく、消費者の時間を取り合うことが課題になっていること


分かっていることそのじゅう)権力との癒着による寄生虫経済の比率が低下し、知恵を絞ることで付加価値を生み出す本来の経済活動の比率が高まっていくこと


上記について時間があれば、もう少し細かく論じていくつもりです。


起きていることそのもの(事象)は、良いとか悪いとかの意味は持っていません。
事象を観察する人間が、良いことか悪いことかを決めています。
そのベースとなるのは「日本論」の再構築かなと思っています。
これまで当然と思っていた日本の姿と現実の食い違いを再認識することが、始まりです。