Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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日経エレクトロニクス臨時増刊号の不思議


日経エレクトロニクスの2007年11月26日発行臨時増刊「分解に見る最新機器の実装技術」にはいくつか不思議なところがある。
まず、公式ウエブ・サイトの「最新号のご案内」には、本号は掲載されていない。臨時増刊号の存在そのものが示されていない。
http://techon.nikkeibp.co.jp/NE/index.html#innerindex-latestissue



探していくと、見つかるのは広告のページである。
日経BP社広告掲載案内ページ
http://adweb.nikkeibp.co.jp/adweb/mad/ne_/ne__pln.html
ここに臨時増刊号の広告企画がPDFで掲載されている。
http://adweb.nikkeibp.co.jp/adweb/kks/20071126-001.pdf
このPDFを読むとインターネットを通じて告知をするとある。しかし11月26日時点では電子メール・マガジンにもウエブ・サイトにもそれらしき告知は載っていない。


内容は、JEITA「2007年版日本実装技術ロードマップ」の主査によるロードマップの寄稿がオリジナル。そのほかはすべて、過去の日経エレクトロニクス記事の転載である。そして情報は掲載当時のままであり、アップデートはしていない。日経エレクトロニクス編集部は臨時増刊号にあまり関わっていないことが窺える。


総合すると、この臨時増刊号は広告主導で作られたものだと推定する。こういうものは、私は増刊ではなく、別冊にして通常号に同梱すべきだと思う。良く分からないが、何らかの事情があって増刊号となったのだろう。


内容は転載ながら、少し気を引いた。特に特集1で採り上げた企業の数だ。アップル2本、ソニー3本、任天堂1本、NEC1本、松下1本というラインナップは、日経エレクトロニクスが好きな企業やハードを端的に示していて興味深い。ゲーム機器が好きなようだがマイクロソフトXBOXがないとか、携帯電話機が好きなようだがノキアがないとか、日本企業が多いようだけどアップルだけ2本もあるのはどういったことかな、とか。


【28日追記】
28日付けで日経エレクトロニクス編集部のブログに増刊号のことが掲載された。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20071127/143027/
ブログ本文に「今回の臨時増刊号のような分解別冊は,読者の方々のご要望がございましたら今後も続けていきたいと考えています」とあるが、日経エレクトロニクスの公式コメントではないので注意されたい。大久保記者は「続けていきたい」と思っている。そのことは認めよう。しかし日経エレクトロニクスの発行部門である電子・機械局が続けるかどうかは、読者の希望とはそれほど関係ないところにある、と考える。内容まで当たってるかどうかは分からないけど、大人の事情」が存在することは確実だ。


私の推測は、日経エレクトロニクスの2007年の広告営業成績が前年に比べて芳しくなく(前年の広告ページ数と比較すれば明らか)、12月決算に向けて営業努力を経営側に誇示するため(要するに何かやってますよという見せ玉)の臨時増刊発行だというものだ。あわよくば利益は出るものの、それよりも広告売上高を上乗せするためのタマだとみる。