Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

水資源を食い潰す人類


NHKスペシャル「ウォーター・クライシス」(2回シリーズ)を見た。
http://www.nhk.or.jp/special/libraly/05/l0008/l0821.html
http://www.nhk.or.jp/special/


第1回は水事業の民営化がテーマだった。民営化はおおむね大失敗。
フィリピンにおける合弁企業の例は悲惨だった。出資企業であるフランスの水道事業会社がフィリピンを食い物にして利益を強奪してきたことが良く分かった。法外な給与をフランス人従業員にその合弁企業は支払った。利益が出なくなると、フランス企業は出資を引き上げた。合弁企業は倒産した。
米国では地域水道会社が別の州の企業に買収され、さらに欧州の企業に買収された例が出ていた。地域とかけはなれた欧州の巨大外資には、米国の片田舎の事情など見えない。外資系企業の悪い例(本社利益を最優先する思想)がモロに出ていた。米国のその村は、住民投票で水企業の買い戻しを決議した。30年間、年間税額が6万円増えるという痛みが伴うにも関わらず、7割を超える賛成で水の買い戻しが決まった。
英国ではウエールズ州にある、ウエルシュウオーターという水企業の事例が取り上げられていた。ウエルシュウオーターは事業の多角化で水がおざなりになっていた。水を地域に取り戻さなければならない。その理想を具現化した人がいた。ロンドンで出資金を募り、ウエルシュウオーターの水部門を買収した。現在のウエルシュウオーターは水専業企業だ。「われわれ(ウエルシュウオーター)は水を所有しているのではありません。水を供給する設備を所有しているだけなのです」。理想を具現化した人(名前が思い出せずにすみません)はこうコメントしていた。感動した。涙が出た。


日本の地域別水道局制度は世界的には、すごくマトモだと分かった。日本の水道局は民営化しないで欲しい。


第2回は農業用水がテーマだった。これには考えさせられた。農業用水は、水使用の70%を占めるとあった(そのほかは10%が生活用水(飲み水とか風呂とか)、20%が工業用水)。
人類は水資源を急速に食い潰そうとしている。ここで言う水資源とは地下水のことだ。数千年かけて出来た地下水脈を、農業が数十年で枯渇させようとしている。
インドの例はすごかった。インドの人口はいつのまにか10億人に達していた。人口増を支えたのが地下水の汲み上げによる農業生産増だった。インドの食料自給率は100%(!)。しかし地下水脈が急速に枯渇し始めており、農業生産はもはや増えない。食料輸入国に変わろうとしている。
米国でも地下水の汲み上げが農業生産を支えていた。コロラドの地下水はあと25年しかもたない。われわれの子供の代で、米国の農業は崩壊してしまう。


人類は明らかに、増えすぎた。番組では64億人が地球で暮らしていると述べていた。
今の人口は、地球にとって有害な数であることは間違いない、と改めて知らされた。
人口抑制が、21世紀の最大のテーマになるような気がする。
あるいは、過去最大規模の飢餓(ひょっしたら疫病、天災かも)が発生し、人口調節が起こるかもしれない。