Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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「インプレスによるE2パブリッシング出資の行方」修正版テキスト

このエントリーの続きです。先にこちらをお読みください。
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関連エントリーEETimes Japanの発行社がチップワンとインプレスの合弁企業に」
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前回のエントリーで、セミコンダクタポータル津田建二編集長のコラムについて
「「インプレスによるE2パブリッシング出資の行方」は目次からはリンクが消されていますが、ページそのものは残っています。下記がアドレスです。
http://www.semiconductorportal.com/blog/?docid=23860
この内容は最初に掲載されたものではなく、大幅な修正が施されています。」
と指摘しましたが、このページのテキストがその後に削除されました。


そこで大幅な修正がなされたテキストを掲載します。原文のテキストと比較してお読みください。




>>以下、引用文です。本文のみ引用しました


インターネットを利用する半導体商社であるチップワンストップが出資しているE2パブリッシング社にインプレスホールディングスが出資することになった。出資比率はインプレスが40%、チップワンストップが60%である。

E2パブリッシングが発行している雑誌はEE Times Japan。この雑誌は米国のCMP Media社(United Business Media社に買収されている)から翻訳権を購入して、EE Times誌の翻訳記事と日本の編集記者が独自に取材して書く記事からなる。

この雑誌は編集権の独立という観点からは、これまでのビジネスモデルとは異質である。編集権は、経営者からも広告主からもあるいは政治家からも独立して、記事を作成するための権利である。言論の自由そのものである。この出版社は、広告主であり、出資者でもあるチップワンストップが設立した会社である。チップワンストップ半導体商社であり、雑誌の広告主の一人でもある。その商社にはCADメーカーの図研が出資している。毎号チップワンストップと図研の広告が掲載されている。この雑誌には立派な記事を書く優秀な編集記者はいる。編集者としては広告主からは独立しているとは言うが。

実は、米国でも欧州でも日本でも同様だが、出版社は基本的に、広告主から独立した存在である。だからこそ、ニューズコーポレーションに買収されるダウジョーンズが編集権にこだわっている。編集権が守られる、すなわち誰からも編集記事に干渉されない、というスタンスを強調しているのである。B2B雑誌でも業界の関連企業が出資した出版社はこれまでありえなかったが、唯一E2パブリッシング社はこれまでのビジネスモデルに挑戦している。出版社であるインプレスがマジョリティを占め半導体商社の出資比率がもっと下がれば、編集権の独立性が外部からも見えるようになろう。

インプレスによる買収は、編集権の独立を強める方向に向かっていると言えるが、このユニークな出版ビジネスモデルがどのようになっていくか、行方を見守りたい。


(2007/07/17 セミコンダクタポータル編集長)


>>以上引用おわり


このテキストが消去された理由は、セミコンダクタポータルのウエブ・サイトには明記されていないようです。