Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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書評:グローバル時代の半導体産業論

半導体と電子部品のネット通販会社「チップワンストップ」の創業者である高乗正行氏が著者です。期待していたのですが・・・かなり残念です。


激辛書評をCQ出版様に掲載していただきました。激辛です。

「電子部品/半導体流通業界の仕組みが分かる ―― 『グローバル時代の半導体産業論』」
http://www.kumikomi.net/archives/2011/03/rv02semi.php

グローバル時代の半導体産業論

グローバル時代の半導体産業論

半導体産業をまったく知らない方が、半導体産業のことを勉強するのには入門書として適しているでしょう。ただし、半導体産業に従事している方には、あまり参考とはならず、本書の半分以上は知っていることばかりです。唯一、珍しいのは半導体商社の日米比較です。ここは半導体産業での知っている方がほとんどいらっしゃらないと思いますので、新しい知見となるでしょう。ただ、この半導体流通の本文の分量は、全体の6分の1くらいしかなく、あまりにも少なすぎます。


本書の設計思想は販売数量を稼ぐことが目的にあり、新しい付加価値を提供することで半導体産業に貢献するといった考え方からは遠く隔たっています。著者の豊富で貴重な経験を持ってすれば、半導体流通に関する詳しい解説だけで業界関係者が唸るような珠玉の一冊が作れるはずです。ところが、半導体流通に絞った解説書だと販売数量がそれほど見込めません。そもそも半導体流通に興味のある方はあまり多くありませんので。そこでこのような薄っぺらい内容になったのだと思います。


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