Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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コラム「セミコン業界最前線」を更新。「MRAMマイコンがフラッシュマイコンを置き換える」

PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。

pc.watch.impress.co.jp

【福田昭のセミコン業界最前線】フラッシュマイコンの置き換えを狙うMRAMマイコン - PC Watch


微細化限界に達しつつあるフラッシュマイコンに代わり、
今後はMRAMマイコンが微細化を担うという技術解説です。


マイコンやSoCなどの内蔵フラッシュメモリを、内蔵MRAMで置き換えます。
MRAMの記憶素子は、配線工程を利用して作ります。
するとフラッシュメモリとは違い、CMOSロジックのトランジスタとは独立に記憶素子を作れるようになります。


フラッシュメモリは記憶素子がトランジスタでしたので、CMOSロジックのトランジスタ技術が変化すると、記憶素子も変化に追随する必要がありました。MRAMではこの必要がありません。原理的にはずっとCMOSロジック互換を容易に維持できる、というシナリオです。

重要なのはこのシナリオに、シリコンファウンダリ大手が乗っており、商業生産を始めようとしていることです。
具体的にはTSMCGLOBALFOUNDRIESSamsung Electronicsが量産を予定しています。つまり、顧客(半導体メーカー)がついていると見られます。


詳しくは記事をお読み頂けるとうれしいです。

コラム「デバイス通信」を更新。シリコンフォトニクスの高速光検出器

EETimes Japam様から頂いておりますコラム「デバイス通信」を更新しました。
シリコンフォトニクスの技術解説シリーズの続きとなります。


eetimes.jp


シリコンフォトニクスの光検出器 - EE Times Japan


シリコンフォトニクスで使う高速光検出器の解説です。
バンドギャップが狭いゲルマニウム(Ge)と受光部とし、シリコン光導波路を組み合わせたGeSiヘテロ接合pinフォトダイオードとなります。非常に高速に応答する素子だとのことです。


GeとSiのヘテロ接合ですと、格子定数の不整合による歪みと欠陥が気になります。欠陥が多くあると、暗電流が増加します。そのあたりの説明はありませんでした。


おてすきのときにでも、記事を眺めていただけるとうれしいです。

コラム「セミコン業界最前線」を更新。「フラッシュマイコンが微細化限界に」

PCWatch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。


pc.watch.impress.co.jp

【福田昭のセミコン業界最前線】微細化と高密度化の限界に挑むマイコン/SoCの埋め込みフラッシュ - PC Watch



フラッシュメモリ内蔵マイコン(フラッシュマイコン)の微細化が限界に達しつつあるという技術解説です。

理由はフラッシュメモリの微細化が、CMOSロジックの微細化に追随できなくなりつつあること。
厳密には、置いてきぼりになってきています。


製造技術世代だと、40nm世代のCMOSロジックをベースにしたフラッシュマイコンが、最後の世代になるかもしれません。マイコンの利便性向上に大きく貢献したフラッシュマイコンなのですが、ここにきて大きな曲がり角を迎えているように見えます。


現在のところ、28nm世代以降のロードマップを確実にしているのはルネサス エレクトロニクスだけです。サイプレスも学会発表はあるのですが、製品化については未知数のところがあります。


詳しくは記事をお読み頂けるとうれしいです。

コラム「ストレージ通信」を続けて更新。40Mビットの埋め込みMRAMマクロを試作(後編)

EETimes Japam様から頂いておりますコラム「ストレージ通信」を続けて更新しました。

eetimes.jp

2xnm技術で試作した40Mビット埋め込みMRAM(後編) (1/2) - EE Times Japan


40Mビットの埋め込みMRAMマクロを2xnm技術で試作した結果の後編です。
信頼性試験の結果をご報告しております。

不揮発性メモリですので、定番となる信頼性が「データ書き換えサイクル数」と「データ保持期間」。
データ書き換えサイクル数(エンデュランス)は100万回(100万サイクル)でも劣化が見られません。
データ保持期間(データリテンション)は125℃で10年の保存を達成しております。


それからMRAMに特有の信頼性試験が、ハンダ付け耐熱性です。リフローハンダ付けによる高温処理を想定した試験です。MRAMの記憶素子である磁気トンネル接合(MTJ)の自由層は、磁気モーメントが熱エネルギーによって動きやすいという弱点があります。このため、埋め込みMRAMに予めソフトウェアを書き込んだ状態でハンダ付け工程に回すと、磁化反転による不良発生の恐れがあるのです。この不良が起こらないことを、確認しておく必要があります。


ちなみに埋め込みフラッシュに書き込んだデータは、ハンダ付け程度の高温ではびくともしません。ご安心くださいませ。


お手すきのときにでも、記事を眺めていただけるとうれしいです。