- 作者: 小松左京
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 1998/01/01
- メディア: 文庫
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SF小説の巨匠、小松左京氏が1964年に発表した傑作長編小説であり、その恐ろしいまでの先見性で近未来を見通した作品です。現代でもまったく古くないどころか、ますます昏い輝きを放っています。
作品を一言でまとめると「ウイルスによって人類が滅亡する物語」です。自分が作品を初めて読んだのは1970年代前半で、たぶん、中学生あるいは高校生だったと記憶しています。あまりのリアリティに打ちのめされ、嵌り込み、10回くらいは繰り返し読みました。当時はウイルスに対する危険性の認識はあまりありませんでした。「インフルエンザは風邪の酷いやつ」くらいの認識でした。ほかにはポリオ、狂犬病、といった病気がウイルスによってもたらされることは知っていましたけれども、現実的な怖さは感じませんでした。
ところが。ご存知のようにその後、人類とウイルスを取り巻く状況は一変します。
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エイズのHIVウイルス。
SARSのコロナウイルス。
鳥インフルエンザのウイルス。
外務省 海外安全ホームページ「鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染症例発生(その24)」(2014年4月15日告知)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo.asp?infocode=2014C138
「エボラ出血熱の死者100人超」(CNN 2014年4月9日付けオンライン記事)
http://www.cnn.co.jp/world/35046298.html
外務省 海外安全ホームページ「ギニア:エボラ出血熱の発生(その4)」(2014年4月11日告知)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo.asp?infocode=2014C133
人類とウイルスの闘いがこれほどまでに深刻になるとは。「復活の日」を初めて読んだ頃には、想像できませんでした。
「復活の日」は角川春樹氏の率いた「角川映画」によって1980年に映画化されています。アルゼンチン海軍とカナダ海軍の協力を得て本物の潜水艦を使ったことによる迫力ある映像、南極ロケによる大変に美しい南極大陸の映像は、一見の価値があります。コンピュータグラフィックス(CG)を見慣れた視聴者には、実写による迫力の違いが分かるはずです。
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: Blu-ray
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シナリオはちょっとだけ残念です。原作小説では個人的にはすごく大切だと思われる部分が変更されています。メディアの違いを考慮した改訂とも言えますが。
それでも映像化は不可能ではないかと思われた小説を真正面から映像化した、壮絶とも言える取り組みには大拍手です。最近の薄っぺらいCGとはまったく違う、物凄い迫力の映像を堪能できます。映画化してくれて本当にありがとう。
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