「戦国自衛隊」は半村良先生が1970年代に発表されたSF小説で、ベストセラーとなりました。自衛隊が戦国時代にタイムスリップして近代兵器で戦国武士と戦うという分かりやすい設定、そして「戦国自衛隊」という分かりやすいタイトル。無駄なく練りこまれたストーリーと埋め込まれた謎とどんでん返しが読者をぐいぐいとラストまで引きつけます。分量は文庫本で薄めの1巻と、小説を読みつけている人にとっては短めの分量なので、一気に読めます。
ハヤカワ文庫JAで自分は高校生のときに読みました。あまりの面白さに、10回くらいは繰り返し読んだと思います。細かな点は、もうすっかり忘れていますが・・・。
現在では角川文庫で読めるようです。アマゾンですとKindle版になっていました。
- 作者: 半村良
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2012/10/01
- メディア: Kindle版
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角川春樹氏が角川グループを引っ張っていた1970年代〜1980年代に「角川映画」と呼ばれた一連の映画作品を生み出しています。その中に角川映画の「戦国自衛隊」があります。巨額の制作費用をかけ、当時としてはとても贅沢な作りをしていました。宣伝にもお金をかけていました。自衛隊の協力がそれほど得られなかったので、戦車(もちろん弾は出ません)を撮影用に作ったりと、話題になりました。
自分も角川映画は当時、「野生の証明」と「復活の日」は劇場で観賞しました。ですが映画「戦国自衛隊」は見なかったんです。理由はよく分かりません。時間がなかったのかなあ。見なかったことをずーっと引きずっていたんですが、最近になってデジタルリマスターの光ディスクが登場したことから、DVDを購入して観賞しました。
- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2011/01/28
- メディア: DVD
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138分の大作でした。一連の角川映画に対しては「大味(おおあじ)」という印象をずっと持っています。迫力ある映像を見せることにはこだわるのですが、脚本がきめ細かくない。脚本が粗いという感想を持っていました。「戦国自衛隊」も同じでした。原作小説の細かな伏線などはほぼすべて無視され、テイストはかなり変わっています。
それでも映像は迫力がありました。というか、ド迫力です。20名そこそこの自衛隊が、数万の武田軍(総大将は武田信玄)と激突する戦闘の映像がもの凄く、言い換えると、ほぼそれだけとも言えるくらいの大味な映画です。この点をどう評価するかで、意見が分かれるでしょう。
あと、最近の邦画作品に出演している男性俳優に比べると、角川映画に出てくる男性俳優陣はずっと「漢」っぽい。線が太い。そして濃い。わずか40年ほどの間に、日本人男子はずいぶんと変わってしまったんだ、という事実を痛感させられます。
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