Electronics Pick-up by Akira Fukuda

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東電・福島原発事故は「想定外」ではない〜5年前に事故の可能性を指摘されるも、政府と電力会社は何も対策をしてこなかった


津波によって原発炉心溶融の危険性があることは、5年前、2006年にすでに指摘されていた。それも国会の予算委員会でだ。2006年3月1日に衆議院予算委員会において日本共産党の吉井英勝議員は、東電福島原発を含む日本全体で43基の原子炉において、津波によって冷却系の機能が失われ、炉心溶融が発生する危険性を指摘していた。
(吉井議員質問議事録)
http://d.jcpdan.com/wp-content/uploads/2011/03/110322yoshiiQA164.pdf
当時の二階俊博経済産業大臣は、「私は、原子力に関しては、最悪の事態を考えても考えすぎということはないと思う。ですから、原子力の安全の確保のために、経済産業省を挙げて全力で取り組んでまいりますことをここでお約束申し上げておきたい」と答弁した。しかし実際には、具体的な対策は何もしていない。


さらに2006年12月13日。吉井議員は「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を内閣に提出した。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon_pdf_s.nsf/html/shitsumon/pdfS/a165256.pdf/$File/a165256.pdf
同年12月22日。安倍晋三内閣総理大臣答弁書衆議院議長に提出した。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon_pdf_t.nsf/html/shitsumon/pdfT/b165256.pdf/$File/b165256.pdf
答弁書では「津波によって冷却系の機能が失われ、炉心溶融が発生した事例はない」とした。そして特に新たな対策を打つことはなかった。


民主党政権に替わって後の2010年4月9日。衆議院経済産業委員会において吉井議員は再度、地震津波によって原子炉の冷却系が失われる危険性を指摘した(そのほかの危険性についても指摘しているがここでは割愛する)。
http://www.441-h.com/hotnews/messe/20100409_5.pdf
直嶋正行経済産業大臣民主党)と寺坂信昭政府参考人資源エネルギー庁原子力安全・保安院長)はいずれも、「多重防護によってメルトダウンを起こさない仕組みを作っている」として質問を退けている。


吉井議員の質問を読んですごく参考になったのは、

1)津波の「押し波」と「引き波」の影響を区別して論じていること
押し波では波が押し寄せて陸地の装置や機器が海中に没し、損傷を受ける。たとえば非常用電源となるディーゼル発電機が故障する(これが実際に起こった)。引き波では海面水位が取水口水位よりも下がってしまい、ポンプを回しても冷却水が入ってこなくなる。

2)外部電源が失われることによって冷却系が機能を喪失する可能性を論じていること
冷却系を動かす電源への送電系統が複数系統存在しない場合は、外部からの電源供給が立たれることによって冷却系が機能を喪失し、炉心の冷却が止まる。万全を期すには、バックアップ電源の送電経路が複数必要である。


そして経済産業省および各電力会社は、なんの対策も取らずに現在の悲劇を招くこととなった。

これだけ何度も論理的にきちんと指摘されながらも、対策を打たずにきてしまった。とてもとても残念であり、悔しいことです。


吉井議員からの緊急メッセージ
http://www.441-h.com/message.html#0320
吉井議員の公式ウエブ・サイト
http://www.441-h.com/index.html


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