Electronics Pick-up by Akira Fukuda

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編集職場の20年、労働環境は確実に悪化し続けた(そのいち)


大学院修士課程を修了してから、20年ほど編集部に勤務した。
ほとんどは雑誌の編集部だった。
この20年を振り返ると、編集職場の労働環境は確実に悪化し続けてきたと断言する。



入社当時の雑誌編集部はのんびりしたものだった。
出社時間は9時半である。しかし9時半に出社している編集部員は2〜3名以下。
編集部全体では20名強の人数だったので、1割りくらいである。
だいたい10時〜11時の時間帯で、半数以上が出社してくる。
なかには強者の先輩社員がいて、出社するとまず昼御飯、それから休憩、午後3時半ころに夕刊をのんびり読むといった、いつ仕事をしているのか、新人である自分にはさっぱり分からない行動パターンだった。でも原稿は出ていたので、手品を見るような気分になった。



昼ごはんはおおよそ、午後1時くらいに始まる。ラッシュが終わってからだ。
編集長が声をかけ、席にいた編集部員が立ち上がり、編集長以下10名程度がぞろぞろと外出する。デスククラスと編集長が雑談しながら、なんとなく昼御飯を食べる先が決まる。洋食だったり、和食だったり、そのときによって違う。


驚いたのは、和食の座敷で食事をしたときに古参社員がビールを注文したことだ。
昼間からビール。誰もとがめない。和気靄々とビールを飲み、雑談しながら食事をする。
午後2時までに職場に戻ることはまずなかった。


そして夜。午後7時ころになると、古参社員は呑みに出かける。
新人なので、飲み屋に呼びだされることがしばしばある。
いろいろな話を先輩から聞かされ、酒を呑み、ツマミを食べ、そして職場に戻る。
それでも終電になることなどない。
午後10時〜午後11時くらいには会社を出ていた。


凄かったのは土曜日の昼御飯だ。当時は週休2日ではなく、月に2〜3回は土曜日にも出勤していた。
土曜日の昼御飯はほぼ、会社に戻るのが午後3時過ぎだった。
なぜかというと、食事のあとに喫茶店に寄るからである。喫茶店で雑談の続きをする。
喫茶店の時計が午後3時になるあたりで、帰るのが習慣となっていた。
それが1984年当時の日常風景だった。