ここにある愚か者がいたとします。この愚者は企業に所属しています。愚者が一般社員の場合は、その被害はある部や課の一部だけで済みます。しかし愚者が課長になれば課全体が、部長になれば部全体が被害を受けます。さらに、愚者が社長になれば、その影響は企業全体に及びます。たぶん、その企業は長生きしないでしょう。
日本の場合、一定以上の規模の企業では社員は段階的に出世することがほとんどです。愚者はよほど運が良くない限り、途中で成果を出せずに終わるでしょう。管理職や経営者に不向きな社員は、ある段階から出世しない仕組みになっています。
しかし外資系企業は違います。ヘッド・ハンティングによってCEO(最高経営責任者)が決まることが少なくありません。外資系日本法人の場合は特に危険です。英会話に堪能で、外見が立派な履歴書と職務経歴書があれば、あとは面接をいかに突破するかだけです。
こうして愚者がCEOになったとしましょう。CEOになればしめたもの。日本で多少好き勝手をしても、遠く離れた海外本社からは見えません。報告書さえきちんと定期的に本社に出しておけば、自分の地位は当面は安泰です。
さまざまな問題が発覚し、海外本社が失敗に気付くまでには、少なくとも1年〜1年半はかかります。そのころには顧客の信頼は失われ、少なくない社員は退職し、業績は急降下しているでしょう。
その先はリストラか、日本からの撤退か。いずれにしても厳しい未来となりそうです。
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上記の一文は、某誌の編集長だったときに、編集後記欄に書いたものです。
ただし、この一文が掲載された号は印刷されたにも関わらず、読者に届くことはありませんでした。
内容に大きな問題があるとみなされ、全文を差し換えた号が新たに印刷されて読者に届きました。
さてここで質問です。上記の一文にはどのような問題があったのでしょうか。
回答は後日に。