Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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愚者と権力そのよん

そのいち
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2ちゃんねるによると、リード・ビジネス・インフォメーションの採用面接でCEOの質疑を受けて戸惑っている方がいらっしゃるようです。
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/zassi/1005913220/l50
同社のウエブサイトを見てもCEOのことはまったく書いていないのですから、不審を抱くのは当然です。「もしかして、偽物?」(2ちゃんねるのスレッドより)。




そこで少し解説します。まず、親会社について説明します。英国ロンドンに本社をかまえる総合メディア企業のリード・エルゼビア(Reed-Elesevier)が親会社です。
http://www.reed-elsevier.com/


リード・エルゼビアには大別すると、四つの事業本部があります。
1)サイエンス・アンド・メディカル(自然科学と医療)
http://www.reed-elsevier.com/index.cfm?articleid=278
2)リーガル(法律)
http://www.reed-elsevier.com/index.cfm?articleid=279
3)エデュケイション(教育)
http://www.reed-elsevier.com/index.cfm?articleid=280
4)ビジネス
http://www.reed-elsevier.com/index.cfm?articleid=281


ビジネス本部のCEOはGerard van de Aast氏です。
http://www.reedbusiness.com/global/index.asp?layout=gbl_inside&articleid=CA298595



ビジネス本部の中には五つの事業部門があります。
1)リード・ビジネス・インフォメーション(米国)
2)リード・ビジネス・インフォメーション(英国)
3)リード・ビジネス・インフォメーション(オランダ)
4)リード・エグジビションズ
5)リード・ビジネス・インフォメーション(インターナショナル)
http://www.reedbusiness.com/global/organisations.html


日本は5)のリード・ビジネス・インフォメーション(インターナショナル)の下部組織です。
相当な階層構造の下にいることが分かります。
http://www.reedbusiness.com/global/index.asp?layout=gbl_inside&articleid=CA298594#INT
あー。でもこのページみると日本がありません。まずいですね。なぜだろー。


リード・ビジネス・インフォメーション(インターナショナル)のCEOはDavid Israel氏です。
その下に、フランスやドイツなどの現地法人のCEOが属しています。
http://www.reedbusiness.com/global/index.asp?layout=gbl_inside&articleid=CA298607
このページでも日本がありませんねー。うーん。困った。


すみません。日本のリード・ビジネス・インフォメーションの存在はワールドワイドのリード・ビジネス・インフォメーションのホームページからは見つかりませんでした(爆)。
http://www.reedbusiness.com/index.html
日本のリード・ビジネス・インフォメーション株式会社の会社説明
http://www.reedbusiness.jp/profile/profile.html


一応、日本で社員に説明されたのはこうです。
David Israel氏の直属の部下が日本のCEO達城丈治(たつぎじょうじ)氏です。
でも「リード・ビジネス・インフォメーション株式会社」の代表取締役ではありません。
代表取締役は津田建二(つだけんじ)氏が務めており、津田氏は達城氏の部下となります。
なぜ達城氏が代表取締役にならないかの理由は、不明です。
一度、社員会議の席で本人に直接質問しましたが、回答はありませんでした。


繰り返しになりますが、リード・ビジネス・インフォメーション株式会社の業務執行権限は、実質的に達城氏が握っています。津田氏ではありません。
これが日本で違法行為かどうかですが・・・・違法とする根拠がないのです。グレーゾーンというか、法律のすき間です。


それではなぜこのようになったかというと、David Israel氏が達城氏を採用して、日本の代表取締役の上位に置いたからです。2003年のことです。
当時のリード・ビジネス・インフォメーション株式会社の代表取締役は、2004年8月に辞任しました。当然でしょう。実質的な権限がゼロになったからです。
権限ゼロの代表取締役であることを理解していながら、津田氏がなぜ就任したのか。理由は定かではありません。



この二重体制が抱える問題は明白です。
仮にリード・ビジネス・インフォメーション株式会社が対外的に責任を取らなければならない事態が発生したとします。責任を取るのは法的にも、社会通念からいっても代表取締役です。でもそれは、代表取締役が企業運営の権限を握っているからです。
企業の社会的責任(CSR)を取らずに権力を握れる、リスクレスのポジションがリード・ビジネス・インフォメーション株式会社のCEOです。
もちろん上司への収支責任はCEOが負っています。その点では責任重大です。ただし重要なのは、収支責任は株主や上司などの利害関係者にとどまるということです。
こういった矛盾をはらんだ企業統治は、外国系企業ならではのものといえそうです。
リード・ビジネス・インフォメーションは一例に過ぎないのかもしれません。



追記:リード・ビジネス・インフォメーションの求人情報にCEOが載りました。
たぶん初めてかと。
http://www.careercross.com/0170658_careercross.html