Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

磁界結合を利用したワイヤレスICE

インターフェース(Interface)誌2007年4月号116ページ
「磁界結合を利用した”ワイヤレスICE”を開発」
http://www.cqpub.co.jp/interface/sample/200704/I0704116.pdf


2006年11月の組み込み技術展示会「ET2006」でちょっとした話題だった、ワイヤレスのICE(インサーキットエミュレータ)システムに関する技術詳細記事です。開発者であるルネサス テクノロジの菅原氏と慶應義塾大学の石黒氏が寄稿しています。


ET2006では例えば下記の速報記事で紹介されました。
EETimes Japanマイコンデバッグ端子が0本に」、非接触接続技術をルネサス開発
http://www.eetimes.jp/contents/200611/12774_1_20061115213124.cfm
組み込みネット「ET2006レポート」
http://www.kumikomi.net/article/report/2006/35et/01.html


ワイヤレス(無線通信)なのでICE用のピンがマイコンに要らない。ICEとプリント基板を接続するコネクタも不要。実装面積が減る。想定されるメリットはこんなところです。
無線通信はコイルによる磁界結合で実行します。シリコンチップとパッケージ上面にコイルを形成し、信号をやりとりする。ICEのプローブの先に形成したコイルとパッケージ上面のコイルでも信号をやりとりする。2段階の結合になっています。


現在の構造ですと信号伝送効率が低く、通信速度が低く抑えられてしまうように見えます(信号電圧が低いのでゆっくりと通信しなければならない)。コイルの大きさをどう最適化するかも結構厄介です。
ただし原理的には面白く、技術改良の余地は十分にあります。既存のパッケージ(QFP)ではなく、ワイヤレスICEを前提にしたパッケージングがいろいろ考えられそうです。