Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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コラム「セミコン業界最前線」を更新。「2018年の半導体ベンダー売上高ランキング」

PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。

pc.watch.impress.co.jp


恒例の「半導体ベンダー売上高ランキング」です。
市場調査会社2社、GartnetとIC Insightsが公表した2018年のランキングを解説しております。


トップは前年と同じSamsung Electronics、2位も前年と同じIntelです。
2018年のランキングは、2017年に比べ、あまり変動がありませんでした。かなり珍しい年だとの印象を受けます。

2017年に続いて半導体メモリが2018年の前半は好調で、そのおかげで上位を維持しています。

非メモリ企業ではNVIDIAの好調振りが目立ちます。GPUが深層学習の学習エンジンと暗号通貨のマイニングに使われたおかげでしょう。といっても2018年の後半に暗号通貨の価格崩壊によって暗号通貨マイニング需要は壊滅状態になってしまったのですが。

あと、Qualcommの不調も少し目立っています。5G携帯電話システムのサービスが立ち上がるまでは、Qualcommは厳しいかもしれません。


2019年は半導体メモリが一気に供給過剰となり、短くとも前半は厳しい状態が続きそうです。ランキングトップをIntelが奪回するかもしれません。

詳しくは、記事をお読みいだだけるとうれしいです。

【福田昭のセミコン業界最前線】2018年の半導体ランキングは2年連続でSamsungがトップ - PC Watch


追記)Gartnerのランキングに東芝がないのは、東芝メモリ東芝本体を別扱いにしたためだと思われます。IC Insightsのランキングでは、東芝東芝メモリを合計しています。といっても東芝メモリ東芝本体との資本関係が微妙になっているので、まとめるべきか、別扱いとすべきか、についてはどちらが適切なのかが今ひとつ不明です。2019年中には、東芝メモリが「東芝」を外した別の会社名になってしまう可能性もあります。

コラム「ストレージ通信」を更新。シリーズ解説、半導体メモリの勢力図(第3回)「NANDフラッシュの事業収支と価格の動向」

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「ストレージ通信」を更新しました。

eetimes.jp


昨年8月のフラッシュメモリサミットで著名なアナリストであるJim Handy氏が講演した内容を抜粋して紹介しております。

今回は、NANDフラッシュメモリの事業収支と価格の最近の動向を解説しています。
2016年の始めから、2018年の前半までを振り返っております。


傾向としては以下のようでした。

2016年前半は需給バランスが供給過剰でした。値下がりのため、事業収支は思わしくありません。

2016年後半は需給バランスが急激に供給不足へと転じます。価格低下が止まり、事業収支が改善されていきます。

そして2017年は・・・・。ここからは記事をお読みいただけるとうれしいです(汗)。

NANDフラッシュメモリの事業収益と価格の推移を振り返る - EE Times Japan

コラム「デバイス通信」を更新。シリーズ「インテルが始まったころ」第10回、「DRAMが特殊なメモリだった理由」

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「デバイス通信」を更新しました。


eetimes.jp


インテルの年次報告書(アニュアルレポート)から、創業期を振り返るシリーズです。
1974年(創業7年目)の第2回となります。

テーマは半導体メモリ、特にDRAMSRAMを扱っております。
今では超マイナーな存在となってしまったSRAMですが。
1970年代のSRAMDRAMと並ぶ、主流の半導体メモリでした。

もっと言ってしまうと。メジャーなのはSRAMで、DRAMはむしろマイナーな存在でした。
DRAMはユーザー数が少なく、ユーザー当たりの使用数量が多いメモリ。
SRAMはユーザー数が多く、ユーザー当たりの使用数量が少ないメモリ。
粗く位置付けてしまうと、上記のようになります。

詳しくは記事をお読みいただけるとうれしいです。

Intelの創業7年目(1974年):DRAMが「特殊なメモリ」だった理由 (1/2) - EE Times Japan

コラム「セミコン業界最前線」を更新。「次世代のEUVリソグラフィ技術」で今後10年は微細化が続く

PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。

pc.watch.impress.co.jp


半導体ロジックの技術ノードで3nm以降の世代を担う、次世代EUVリソグラフィ技術の解説です。

EUVリソグラフィ技術に関する短期集中連載の第3回であり、最終回となります。
過去2回の記事は以下のようなものです。

第1回はこちら。
pc.watch.impress.co.jp


第2回はこちら。
pc.watch.impress.co.jp



結論は、「半導体製造技術の微細化は今後10年は続く目処が立った」ことです。
開発リソースさえ続けば、技術的には根本的な限界はありません。2020年代はずっと、微細化が継続します。たぶん。

もちろん、微細化以外の高密度化手法の研究開発も、並行して続きます。
でも主役である微細化継続の目処が立ったことは、とても心強いことです。