PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。
米国サンフランシスコで昨年12月に開催された国際電子デバイス会議ことIEDMで
半導体メモリ大手のSamsung Electronicsが3D NANDフラッシュの高層化(ワード線の積層数を増やすこと)を招待講演で展望しました。
一言でまとめると「2030年にV13世代(第13世代)で1,000層を達成する」ための課題と対策です。
実際には高層化を含めた記憶密度の向上技術を1000層時代に向けて述べています。プレーナー時代の横方向スケーリングから3D時代の垂直方向スケーリングに転換して10年。従来技術による垂直方向のスケーリングがかなり厳しいところに来ています。
今後は新たな要素技術を開発し、つぎ込んで行くことになります。
Samsungが開発中の要素技術で最も難しく、かつ興味深かったのが「ステアケース領域」の縮小です。
詳しくは記事で述べていますのでご照覧ください。
あと過去の開発経緯を調べていて分かったのはSamsungの開発指針が明確であること。分かった気になっているだけですが。
まず、多値記憶の強化(ビット数増加)はあまり好きではないこと。TLCが基本です。QLCに対してはあまり積極的ではない。理由は性能(特に動作速度と長期信頼性)が低下することだと推測しました。今回の展望では、PLCについてまったく触れていません。
またエッチングのアスペクト比を下げる努力がすごいこと。同じ層数でも高さを抑えるとエッチングの難しさが下がりますし、スループットが高まります。
128層まで「1スタック(1デッキ)」を唯一実現したメーカーの凄さが伺えます。
クライオエッチング(エッチング速度が従来の1.5倍に高まる)も量産ラインに導入しています(2023年5月にIMWで公表済み)。
詳しくは記事をお読みいただけるとうれしいです。