PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。
シリコンファウンダリ最大手のTSMCがVLSIシンポジウムで公表した、
次世代不揮発性メモリの研究開発成果をまとめて紹介しております。
特筆すべきは、ここまで広範囲に次世代不揮発性メモリ技術を開発している企業はほかにはなさそう、という点です。
それも本当の「次世代」です。5件の発表がありますが、優れているのは3件です(表だと上から1番、3番、5番)。
1番はスピン軌道トルク方式磁気メモリ(SOT-MRAM)の8Kビットメモリセルアレイ試作結果。長期信頼性まで測定しています。製造はかなり難しそうです(8Kビットなのに最高歩留まりが98%とはかなり悪い)。でもさらに良くなるでしょう。
3番はクロスポイントメモリ(記憶素子は抵抗変化メモリ)のセレクタ技術。とてもわかり易いです。正直、読み出し電圧の半分の電圧が重要である理由が、この発表のおかげで人に説明できるところまで理解できました。
5番は強誘電体トンネル接合(FTJ)の新しい構造。反強誘電体が接合の構造を変えることで強誘電体に変わってしまうという。かなりの衝撃です。元々、反強誘電体は電圧印加の繰り返しに強いことが知られていました。その耐久性を維持したままで、強誘電体に変化するとは。もっともオンオフ比はまだ低い(研究ベースでは過去最高だけど実用的にはまだ怖い)です。
詳しくは記事をお読みいただけるとうれしいです。