PC Watch誌から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。
半導体メモリの国際学会「国際メモリワークショップ(IMW)」のレポート初号です。
次世代不揮発性メモリで大きな講演が2つありました。
1つは、富士通グループが米国のベンチャー企業Nanteroと共同開発してきたカーボンナノチューブメモリ(NRAM)の試作発表です。55nmのCMOS技術で16Mbitのメモリチップを製造し、全ビットの動作を確認しました。当初の計画から3年以上の遅れが出ています。これが開発終了の発表なのか、商品化に向けての発表なのか。予断を許しません。
もう1つは、ソニーグループがドイツの研究開発機関と共同開発してきた強誘電体不揮発性メモリ(FeRAM)の最新状況です(招待講演)。64Kbitのシリコンダイを試作し、全ビットの動作を確認しています。元々ドイツの研究機関が新材料のハフニウム酸化物強誘電体を発見し、研究を継続してきました。CMOSイメージセンサーなどのバッファメモリに低消費電力メモリを必要とする、ソニーの要望と合致した共同開発のように見えます。製造技術が130nmのCMOSで記憶容量が64Kbitというのは明らかにテストチップで、まだ先がありそう。55nm/40nm/28nm技術で128Mbitクラスのメモリを作って欲しいところです。