フラッシュメモリサミット2018(FMS 2018)の現地レポートをPC Watch様に掲載していただきました。
展示会でIntelが出品したQLC方式NANDフラッシュ搭載のコンシューマ向けSSD「660P」の概要です。
【イベントレポート】Intel、初のQLC NAND採用により399ドルで容量2TBを実現する「Intel SSD 660P」 - PC Watch
面白いのは、NANDフラッシュのシリコンダイの中で、QLC方式の領域とSLC方式の領域を動的に変更していることです。
SLC方式の領域はキャッシュとなります。最小の固定領域があり、そのほかに、ユーザーが格納するデータの容量に応じて、SLC方式の領域を変動させます。
当然といいますか、ユーザーがSSDに保存したデータ(これはすべてQLC方式の領域に格納されます)が少ないときは、SLC方式の領域が多い。このため、SSDの性能が高い。ユーザーがSSDに保存するデータが多くなると、SLC方式の領域(可変領域)が減少し、SSDの性能が下がっていきます。
TLC方式のNANDフラッシュでも、SLC方式の固定領域を作り込んでキャッシュとする手法はありました。また3D NANDフラッシュのすべてをSLC方式とする高速SSD(例えばSamsungのZ-NAND SSD)が開発されています。
IntelのSSDが使うフラッシュメモリでは、SLC方式の領域をなるべく多めに確保することで、QLC方式の弱点である「遅さ」を緩和しています。
ちなみに3D NAND技術、64層、シリコンダイ当たりの記憶容量は1Tbitです。フォームファクタはM.2の2280で、最大で4個のチップ(パッケージ)を載せています。
SSDの記憶容量は512GB、1TB、2TBの3通りです。512GB(4Tbit)品では搭載フラッシュチップは1個なので、4個のシリコンダイを1個のパッケージに収容しているとみられます。コントローラはSilicon Motion製、バッファのDRAMは台湾Nanya製との情報を得ております。コンシューマ向けということで、製造コストを下げようとする意志がうかがえます。512GB品の米国市場推奨価格は99ドルと、SSDとしては非常に安いです。
詳しくは記事を眺めていただけると、うれしいです。