Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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10月8日〜15日の話題

●韓国LG Electronicsの格付けをS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)が下げ
たと朝鮮日報オンライン版が10月15日付けで報じています。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/15/2011101500338.html
14日付けで、長期信用格付けが「BBB(トリプルB)から「BBB−(トリプルBマイナス)」に1段階下げられました。その前日には「ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、LG電子の格付け見通しを「ポジティブ(安定的)」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた」と記事では補足しています。スマートフォン事業の不振が企業業績の悪化を招いているとのことです。


●韓国Samsung Electronicsがオランダで求めたApple製品の販売差し止め請求が棄却
されたと朝鮮日報オンライン版が10月15日付けで報じています。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/15/2011101500367.html
「裁判所は「アップルが使用したサムスンの技術は『必須特許』に当たり、誰でもそれを利用して製品を作ることができ、今後は公正かつ合理的な特許使用料を支払えばよい」と判断した。」とのことです。


●韓国Samsung ElectronicsのメディアタブレットGalaxy Tab 10.1」の販売がオーストラリアで差止め
られたと朝鮮日報オンライン版が10月14日付けで報じています。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/14/2011101400545.html
オーストラリア連邦裁判所がアップルの訴え(特許侵害)を認めて販売の一時差止めを命じました。特許侵害の対象となっているのはマルチタッチ技術(2本指による画像の拡大・縮小・回転などの操作)です。なおSamsungは「Galaxy Tab 10.1」の正式な販売をオーストラリアでは始めていないとこのことです。


●台湾フラット・パネル大手の9月売上高は減少、今年前半は大幅な赤字を計上
とChina Post Onlineが10月9日付けで報じています。
http://www.chinapost.com.tw/business/company-focus/2011/10/09/319277/Flat-panel.htm
二大ベンダーのChimei InnoluxとAU Optronicsが公表した売上高です。Chimeiは前月比1.3%減の414.7億台湾ドル(13.6米ドル)で、前年同月に比べると9.1%ほど下がっています。AUは前月比1.9%減の329.2億台湾ドルで、前年同月に比べると21.6%もの減少です。調査会社のDisplaySearchによると液晶モニター用とノートPC用のパネル価格は変動がないものの、液晶テレビ用パネルの値下げ圧力が厳しいとしています。

今年上半期の両社の業績は昨年に比べるとかなり厳しい状況です。Chimeは270.5億台湾ドルの純損失(前年の上半期は133.4億台湾ドルの純利益)、AUは246.6億台湾ドルの純損失(前年の上半期は185.2億台湾ドルの純利益)を計上したと報じられています。


IntelがMooreの法則に沿った進化では、2018年の次世代HPC実現には不十分だと主張
しているとthe INQUIRER誌が10月12日付けで報じています。
http://www.theinquirer.net/inquirer/news/2116600/intel-8nm-wont-exascale
現在の半導体製造技術の進化が継続すると仮定した場合、2018年の微細加工技術は8nmに達します。しかしこれでも、次世代HPCことエクサスケール・コンピューティングの実現には不十分で、何らかの技術改良を加える必要があるとしています。シニアフェローのSteve Pawlowski氏のコメントです。


Intelが考える次世代HPC向けCPUダイ・メモリダイのシリコン積層技術では、CPUの発熱によってメモリダイの動作がおかしくなってしまう
とThe Registerが10月14日付けで指摘しています。
http://www.theregister.co.uk/2011/10/14/intel_predicts_continued_life_for_moores_law/
アイルランドで開催された「European Research and Innovation Conference」で、シニアフェローのSteve Pawlowski氏がThe Registerにシリコンダイ積層技術を考えていると語ったことへの論評です。。
シリコンダイの積層による接続は、メモリデータの広帯域伝送には適しています。Intelの狙いもそこにあります。ただし、CPUがモバイル向けの低消費電力タイプならこの技術は問題ありませんが、Intelが考えるHPC用CPU、具体的には「エクサフロップ・コンピューティング」向けCPUでは発熱が凄いので、メモリダイへの悪影響が懸念されます。
これはもっともな指摘で、例えばJEDECが策定中のDRAM仕様規格では、シリコンダイ積層の適用(WideIO)は低消費電力タイプのモバイルDRAM向けとなっています。これはCPUも低消費電力タイプであることが前提になっています。


●韓国Samsungサムスン)電機が0603サイズ積層セラミックコンデンサの大容量品を発売
したと朝鮮日報オンライン版が10月12日付けで報じています。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/12/2011101200417.html
同社の従来品に比べて静電容量が2倍のコンデンサを発売したとのことです。参考情報として、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の昨年の世界シェアは、首位が村田製作所の32%で、サムスン電機は20%で2位だったとのデータを記事では掲載しています。



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