Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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推薦! 危機感の欠如と思い込みの怖さを突き付けられる良書「人は皆「自分だけは死なない」と思っている」

人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日本人-

人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日本人-

本体価格1200円プラス消費税。

実用的な防災知識が満載の本です。豊富な実例が、私たちの甘い考えを打ち砕きます。行動のほんのささいな違いが、生死の分かれ目になります。


「警報を何かの間違いだと思って火災で死んでしまった」
「ほんのちょっとの気付きが墜落事故を防げた」
「大地震誤報が出ても住民はパニックにならなかった」
「これまでに予知できた大地震はひとつもない」
「「停電したときのロウソク」でガス爆発が起こって死んでしまった」


火災報知器が鳴り、煙が見えているのに逃げない学生たち。
地下鉄の車内に煙が充満しつつあるのに逃げない乗客たち。


その理由を解説し、明日にでも私たちに起こるかもしれないということを教えてくれます。


数々の災害地を歩いてきた著者が発信する教訓には、現場の知恵が息づいています。以下にその例を挙げます

地震で机の下にもぐれは間違い(家が倒壊したら机も圧壊する)」
地震発生で避難場所に集合は間違い(倒壊や火災などがあっても周りの人を助けなくなる)」
「日本人は自分を守る意識が低い(自宅の備蓄がわずか)」
「専門家が大丈夫だと言っても、危険を感じたら逃げる(専門家でも災害時は間違う)」
「災害時には空気を読まない(周囲が逃げなくても自分が危ないと感じたら迷わず逃げる)」
「「もしかして」、「念のために」を大切にする(自分が危ないと感じることがあったらすぐに逃げる)」


本書を読んで感じたのは、「津波災害」との共通性です。

自然災害には勝てない。
逃げるが勝ち。とにかく逃げる。
逃げて何もなかったとしても、損したとは考えないこと。「何もなくて良かった」と思うこと。
たった1回、逃げなかったときに災害が起きていたら死んでしまう。死んでしまったら、それっきり。100回逃げて100回何もなかったとしても、101回目も逃げること。


防災、つまり災害を防ぐことは不可能。
可能なのは減災。災害を減らすこと。被害を減らすこと。
減災がどこまで可能かは、人間の意識次第。

災害現場を歩いてきた2名の著者が同じことを述べていました。
防災意識ではなく「減災」意識こそが、これからの日本人に必要とされているのでしょう。


津波災害――減災社会を築く (岩波新書)

津波災害――減災社会を築く (岩波新書)


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