- 作者: 原子力資料情報室
- 出版社/メーカー: 七つ森書館
- 発売日: 2010/09/01
- メディア: 単行本
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本体価格3800円プラス消費税。決して安くはありませんが、それだけの内容が詰まっています。原子力反対を掲げる市民運動の牙城「原子力資料情報室」(http://cnic.jp/)が編纂し、毎年1回発行している、日本の原子力発電に関するありとあらゆるデータを網羅した渾身の年鑑といえます。
前半は、日本の原子力発電所のすべてについて、原子炉製造企業や発電諸元、稼働実績、労働者被ばく状況、過去の事故履歴などがついたデータ集です。簡単な地図がついているので、どこに原発があるのかがすぐ分かります。
後半は、原発の現在を知るために必須のキーワードが解説してあります。プルトニウム、核燃料サイクル、地震、原子行政などです。世界の原発に関するデータをみると、1990年ころから地球に存在する原発の数がまったく増えていないことが分かります。原発先進国の欧米では新規の計画がほぼとまっています。そして今、原発の建設と計画が最も盛んな国は中国です。この年鑑によりますと、建設中の原発が26基、計画中の原発が10基と恐ろしい(?)ことになっています。
原発反対派が編纂した年鑑ですが、データそのものは中立です。資源エネルギー庁や原子力産業協会などの推進派が出しているデータをまとめています。豊富なデータがとても参考になります。