Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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最近のテレビ番組から


年末に見たテレビ番組から感じたことをポツポツと。


●12月25日NHKスペシャル日本の群像:トップを奪い返せ 技術者たちの20年戦争
http://www.nhk.or.jp/special/libraly/05/l0012/l1225.html
東芝半導体事業を中心とした番組でした。1980年代後半の国内DRAM黄金時代から、東芝DRAM撤退、フラッシュメモリでのトップ奪還への決意までを描いています。


興味深かったのは、フラッシュメモリの発明者である元東芝で現在は東北大学教授の舛岡富士雄氏が研究している、次世代デバイス(SGT)の件です。中東の投資会社が100億円(金額はちょっとあやふやです。でも10億円ではなかったと思います)もの投資を決めていました。
舛岡氏が東芝に在籍した当時は、フラッシュメモリに対する東芝のスタンスはかなり消極的でした。そのことが、フラッシュメモリを先駆けて量産したインテルなどに事業機会を奪われてしまうことにつながります。現在でこそ東芝フラッシュメモリの大手ベンダーですけれども。
SGTがモノになるのかというと、自分にはわかりません。ちょっと考えただけでも課題山積です。逆に言うと、課題をクリアできれば競争相手が追随しずらいとも言えます。
http://www.riec.tohoku.ac.jp/~masuoka/japanese/jindex.html


●12月26日NHKにっぽんの現場悪質リフォームとの闘い
http://www.nhk.or.jp/omoban/k/1226_2.html
悪質リフォーム被害にあった人たちを救済する弁護士さんのドキュメント。
悪質業者を訴えるために奔走する弁護団の苦労が現実の厳しさを感じさせました。
被害者のほとんどが世間体を考えて訴訟に踏みきらないからです。
30人の被害相談に対し、訴訟に踏みきったのはわずか3人と紹介されていました。
これには唖然としました。
小金持ちの年寄り世帯で一戸建てが悪質業者のターゲットです。
詐欺被害はみっともない。訴えると近所に知られてしまう。
数百万の被害でも、まだ暮らしていけるだけのカネがある。
ヒドイ言い方かもしれませんが、被害に遭う方にもそれなりの理由(甘さ)があることが浮き彫りになりました。結局、闘って取り戻すほどのカネではないということ。
世間体の方が闘う(悪質業者をのさばらせないこと、カネを少しでも取り戻すこと)よりも大事ということでした。
この番組を見た悪質業者は、ほくそえんでいることでしょう。
貧乏人からなけなしのカネをふんだくったのではなく、
金銭的に余裕のあるところからかすめ取っていったことになるから。「良心の痛み」が少ない違法行為ということです。
「だますほうもだますほうなら、だまされるほうもだまされるほう」かな。