Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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コラム「セミコン業界最前線」を更新。「TSMCの次世代不揮発性メモリ開発状況」

PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。

シリコンファウンダリ最大手のTSMCがVLSIシンポジウムで公表した、
次世代不揮発性メモリの研究開発成果をまとめて紹介しております。

pc.watch.impress.co.jp


特筆すべきは、ここまで広範囲に次世代不揮発性メモリ技術を開発している企業はほかにはなさそう、という点です。
それも本当の「次世代」です。5件の発表がありますが、優れているのは3件です(表だと上から1番、3番、5番)。

1番はスピン軌道トルク方式磁気メモリ(SOT-MRAM)の8Kビットメモリセルアレイ試作結果。長期信頼性まで測定しています。製造はかなり難しそうです(8Kビットなのに最高歩留まりが98%とはかなり悪い)。でもさらに良くなるでしょう。

3番はクロスポイントメモリ(記憶素子は抵抗変化メモリ)のセレクタ技術。とてもわかり易いです。正直、読み出し電圧の半分の電圧が重要である理由が、この発表のおかげで人に説明できるところまで理解できました。

5番は強誘電体トンネル接合(FTJ)の新しい構造。反強誘電体が接合の構造を変えることで強誘電体に変わってしまうという。かなりの衝撃です。元々、反強誘電体は電圧印加の繰り返しに強いことが知られていました。その耐久性を維持したままで、強誘電体に変化するとは。もっともオンオフ比はまだ低い(研究ベースでは過去最高だけど実用的にはまだ怖い)です。


詳しくは記事をお読みいただけるとうれしいです。

コラム「ストレージ通信」を更新「フラッシュメモリの用途開発が始まる(1988年~1989年)」

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「ストレージ通信」を更新しました。
シリーズ「フラッシュメモリと不揮発性メモリの歴史年表」を開始しております。その第6回です。

eetimes.itmedia.co.jp

フラッシュメモリの用途(UV-EPROM代替以外)として初めに期待がかかったのは、
デジタルスチルカメラとパソコンでした。

電子スチルカメラの主流はデジタル記録ではなく、アナログ記録。そして記憶媒体の標準はフロッピーディスク(ビデオフロッピー(VF)規格)という。隔世の感があります。ソニーの「マビカ」を代表とする製品群です。

パソコンの外部記憶はフロッピーディスクとHDDでした。そこにカード記憶としてフラッシュメモリが入ろうとします。HDD代替もありますが、まだ高価すぎました。フロッピーディスクよりも信頼性の高い記憶媒体としてメモリカードフラッシュメモリ内蔵カード)が考案されました。名刺サイズのPCMCIAカード(後のPCカード)です。SDカードへと進化する手前の段階ですね。


お手好きのときにでも、記事を眺めていただけると著者が喜びます。

コラム「ストレージ通信」を更新「フラッシュメモリ、NOR型に続いてNAND型が表舞台に(1980年代後半)」

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「ストレージ通信」を更新しました。
シリーズ「フラッシュメモリと不揮発性メモリの歴史年表」を開始しております。その第5回です。

eetimes.itmedia.co.jp

1985年から1988年の主な出来事を年表形式でまとめています。
本文テキストの前半は、NOR型フラッシュメモリを発明した東芝とエクセルマイクロエレクトロニクスのセル構造の比較です。
後半は「フラッシュ」という名称が普及し、さらには「フラッシュEEPROM」ではなく、「フラッシュメモリ」と変わった理由を述べております。インテル半導体業界に与える影響は大きいなあと。

詳しくは記事をお読みいただけるとうれしいです。

コラム「セミコン業界最前線」を更新。「Meteor Lakeのシリコンを創るIntelの次世代技術「Intel 4」」

PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。

IntelがVLSIシンポジウムで公表した4nmプロセス・デバイス技術「Intel 4」と
同技術で製造した試作回路をまとめて紹介しております。

pc.watch.impress.co.jp

Intel 4」は次期クライアント用プロセッサ「Meteor Lake」(のCPUダイ)などに使われる予定です。


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