Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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コラム「デバイス通信」を更新。シリーズ「インテルが始まったころ」第3回(1970年)

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「デバイス通信」を更新しました。

eetimes.jp


インテルIntel)の創業期を1年ずつ、年次報告書をベースに振り返るシリーズの第3回です。
今回は1970年の業績を紹介するとともに、主な活動を補足として追加しております。

前年(1969年)に開発した2つのSRAM製品が、売り上げに大きく貢献したのが1970年です。
製品売り上げは前年の10.6倍と急増しています。ものすごい伸び率です。


赤字は減りましたが、ゼロにはなりません。
研究開発費がものすごく大きいことが、主な理由に見えます。
製品売り上げの3分の1くらいが研究開発費になっています。すごく高い比率です。
でもIntelは研究開発を精力的に継続し、新製品を次々と市場に投入していきます。
勢いがあります。

詳しくは記事をお読みいただけるとうれしいです。

Intel創業3年目、売り上げが前年の11倍に急増して赤字が縮小 (1/2) - EE Times Japan

コラム「セミコン業界最前線」を更新。「来年2月開催予定のISSCC 2019概要」

PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。

pc.watch.impress.co.jp


来年2月に開催される回路技術の国際学会ISSCCの概要が報道機関向けに公表されました。
その内容をご紹介しております。
主な資料は、プレスキット(日本版)とアドバンスプログラム(ドラフト版)です。

ISSCC 2019のウエブサイトに掲載されている情報(11月28日現在)に比べると、はるかに詳しい内容となっております。

【福田昭のセミコン業界最前線】近未来の社会を支える半導体チップが来年2月の「ISSCC 2019」に大集合 - PC Watch


半導体技術の動向をウオッチしていく上での、ご参考になれば幸いです。

コラム「ストレージ通信」を更新。HDD大手Western Digtalの四半期業績(2018年9月期)

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「ストレージ通信」を更新しました。

3D NANDフラッシュのシリーズをいったん中断して、HDD大手の四半期業績を紹介していきます。
今回はWestern Digitalの四半期業績(2018年9月期)です。

eetimes.jp

前年比、前期比とも減収減益となっております。
エンタープライズ向けは増収なのですが。
コンシューマ向けが良くありません。

あと、フラッシュメモリ応用製品が、フラッシュメモリの価格低下によって利益率を下げています。

Western Digitalの場合は売り上げの半分がフラッシュメモリ応用品なので、フラッシュメモリの価格の影響を受けやすいと言えます。


詳しくは記事を眺めていただけるとうれしいです。

コラム「セミコン業界最前線」を更新。「カーボンナノチューブメモリの最新状況」

PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。

2年前に同じコラムで紹介した「カーボンナノチューブメモリ(NRAM)」の続編です。
pc.watch.impress.co.jp
上は2年前の記事です。前後編の大ボリュームです。


そしてこれが続編です。
pc.watch.impress.co.jp


NRAM技術の開発企業であるNantero社が、DRAMを置き換える将来構想を立て続けにアナウンスしました。
2018年8月から9月にかけて、少なくとも3つのイベント(いずれも米国カリフォルニア州シリコンバレーで開催)で構想を発表しています。

そのまとめとなる解説記事を上梓しました。


置き換えシナリオの前提は主に3つです。
1つは、DRAMの大容量化が現在あるいは近い将来に停止する、あるいは鈍化すること
もう1つは、ナノチューブメモリ(NRAM)の微細化と高密度化が順調に進むこと
最後は、大容量ナノチューブメモリ(NRAM)の共同開発パートナーを大手の半導体企業から見つけられること

言い換えると、これらの条件が満足されない限り、置き換え構想は破綻する可能性が高まります。

一方、コンピュータシステムの主記憶に対する大容量化と低消費電力化の要求は相変わらず、強いものがあります。

1つの解答がNVDIMMなのですが、性能で満足できそうなのが3D XPointメモリだけというのが大きなネックです。
3D XPointメモリは市販されていません。Intelブランドのストレージ製品に組み込まれているだけです。
これからDIMM製品が登場したとしても、Intelブランドだけで、あまねく普及するとは思えません。


そこで3D XPointメモリに対抗できてなおかつ市販品である不揮発性メモリが、強く望まれています。
本当はMicron Technologyが3D XPointメモリを市販してくれると業界としてはありがたいのですが。
その兆しも見えません。


そうなると、DRAMの大容量化が進むことを祈るしかないのでしょうか。先行きは不透明なものがあります。