Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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Agilent Measurement Forum 2007

大手計測器ベンダー、アジレント・テクノロジーの恒例セミナー兼展示会「Agilent Measurement Forum」を聴講しました。


5日に聴講したのは2セッション。
D1-B-6)「組込みDDRメモリの評価手法」(満員)
最初はDDRの読み出しと書き込みのData波形切り分け。
デジタルオシロのマスクトリガー機能を使ってストローブ信号を引っかけるという話でした。
次にCDR(クロックデータリカバリ)によるアイパターン計測。
クロックリカバリアルゴリズムの一つ、Explicit Clockを使います。ストローブエッジを基準にDQをひっかけて重ねてアイパターンを作っていきます(ジッタの増加を避けるため)。
それから、クロックジッタの周期的な揺れと電源電圧変動の関係の話がありました。これはなかなか良かったです。でも、コンデンサ交換(電解→セラミック)による対処の詳細が分からなかったのが少し物足りなかったです。容量同じなんだろうか・・・。


続いて聴講したのがこれです。
D1-A-7)「最新のオシロで何ができるのか?」
前半は波形更新速度と波形メモリ長に関連する問題で、すでに知っている部分でした。
詳しくはここに書いてます。
後半はこれもマスクトリガの話。「マスク内を信号波形が通過しない」トリガやシーケンストリガはちょっと参考になりました。
たここでもExplicit Clockによるアイパターン評価のことが出てきました。
Explicit Clockは消化不良気味なので、一度しっかり理解しておかないといけないです。


6日は1件だけ聴講しました。
D1-C-7とD2-C-6)「間違いだらけのGHzオシロ選択方法」
5日と6日に同じ講演があり、5日の分は満員でした。
1行でまとめると「帯域は広ければ良いというものではない」という話でした。
余分な雑音を拾ってしまうので、評価を阻害するからです。
デジタルオシロの帯域特性の違いは覚えておくことにしました。ガウス応答とブリック・ウオール応答のことです。
あと、DSO80000BのプリアンプとAD変換器の基板が出てきたのが個人的には興味を引きました。プリアンプ基板ではファラデーケージを作って雑音侵入を防いでいるとは。アナログの極限を追求していますね〜。