市場調査会社のIC Insights社が2006年上半期(1〜6月)の半導体ベンダー売上高ランキングを発表しました。上位3社は変動ありません。4位以下はいろいろと変動がありました。
http://www.icinsights.com/news/releases/press20060731.html
以下はコメントです。勝手なこと書いてます。
(半導体ベンダーの方へ)訴えたり、抗議しないで広い心で見守っていただけるとありがたいです。
それでは始めます。
Intelは断トツの売上高を確保しました。ただ、勢いには陰りがあり、調整が始まったと感じます。IntelはPXA(StrongARM)関連の事業を売却しました。調整の一環としてフラッシュメモリを近く、Micronに売却することに決めるのではないかと予測しています。
Samsungは変わらず好調のようです。最近ではマイコン事業が伸びています。この点は将来を考えたときに要注意です。
TIも変わらず好調を維持しています。DSPとアナログで1兆円を超える売り上げを出し、利益をきちんと出す。事業売却と企業買収が繰り返されているのも企業収益としてはよい方向に働いています。
TSMCの躍進がすごく目立ちます。元々高収益体質の企業ですので、相当に好調とみるべきでしょう。
当然ファウンドリトップなのですが、ファウンドリがここまで成長するというのは、過去を振り返ると凄いことです。
InfineonとSTは財務体質の改善が課題と考えています。要するに、安定的に利益を確保する体質の構築です。Infineonはメモリー事業を分社しました。STは一時はメモリー拡大路線を走ったのですがフラッシュメモリの価格急落で火傷をしました。STもInfineonと同じことをしそうな気配を感じます。
東芝は半導体事業の好調振りがマスコミでけっこうもてはやされてきました。個人的にはソニー頼み(プレステ頼み)の好調という部分が大きく、リスクは小さくないと思っています。で、そろそろ息切れしてきたと見ています。下半期の東芝はかなり厳しいでしょう。アジア市場での強みをどこまで活かせるかがカギではないかと。
ルネサス テクノロジは苦闘しています。売上高では昨年から、東芝の後塵を拝してしまいました。ルネサスをほかの海外半導体ベンダーと比べた場合、国際化で出遅れています。当然そんなことは自覚しており、アジア市場、特に中国での展開を急いでいます。それからメモリー事業を縮小し、半導体事業をマイコンとASICに絞る動きに出ています。
Freescaleは、もはや「モトローラの半導体部門」とはまったく別の企業となりました。直近の四半期では営業利益率が20%前後とさらに上がっています。「自動車」と「通信」の2本柱を軸にしており、ブレがないのが分かりやすいです。
あとソニーがこのランキングには入っていないようにみえます。2005年は9位にカウントされていたので、トップ15に入っていないことは考えにくいのですが。ちょっと分かりません。
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