外資系日本法人の社長が本社からみてどのような地位にあるのかは、「社長」という肩書からは分かりません。いくつものレポートラインが考えられるからです。
例えば、
「日本法人社長→アジア地域統括本部長→本社のアジア地域担当Vice President→本社COO→本社CEO」
というラインが考えられます。
この場合は、日本法人社長の地位はそれほど高くありません。日本市場は本社からあまり重視されていないとも言えます。
逆に最も高いのは、
「日本法人社長と本社CEOが同一人物」というケースです。日本の外資系企業でこのケースが当てはまるのは日産自動車だけでしょう。ルノーのCEOと日産のCEOが同じ人物ですから(注:日産は外資系企業です)。例外とも言えるし、ルノーがどれほど日産を重視しているかの傍証だとも言えます。
地位の目安として比較的有用なのは、「日本法人の社長が本社の重要な役職を兼任しているかどうか」です。日本法人社長が本社のVice President(あるいはそれ以上のポジション)を兼任していれば、かなりの地位にあることが伺えます。本社の幹部会議に出席できますし、必要があれば本社のCEOと直接話し合えるのが普通です。結果として、日本法人はかなり独自に運営できることになります。
逆に、本社のVice President等を兼務していない場合は、日本法人が独自に決定できる事項にかなりの制限が加わっていることになります。本社の許可が必要な事柄が、相当に多いということですね。
実は、このことが理解できるようになったのは、恥ずかしながら数年前からです。
それまでは外資系日本法人のプレスリリースで「日本法人社長が本社のVice Presidentに就任(兼務)」とあっても何のことか分かりませんでした。すみません。深くお詫びします。
ここに恥をさらしつつ、皆さまの参考になればと願う次第です。
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