PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。
IEDM 2024でキオクシアが発表した、NANDフラッシュの新しいアーキテクチャの概要です。
既存アーキテクチャの「2倍」に記憶密度を高められると謳っています。
発表内容は分かるのですが、試作したセルの定量性にはかなり欠けており、不満が残りました。
そもそもセルの寸法が不明です。書き込みと消去の動作は確認しておりますが、電圧条件がありません。
書き換え可能サイクルは1万サイクルとかなりのもの。でもサイクル時間と温度がないのです。
あとは研究論文で終わるのか、それとも本気で開発を進めるのか。ここは経過を見ないと分かりません。
とりあえず、かなり面白いアーキテクチャが登場してきたのは、喜ばしいことです。
詳しくは記事を参照していただけるとうれしいです。
蛇足>エントリーを書いた後、ここに参考図書のURLリンクを入れるようにしたいと思ってamazonで検索しています。いつもです。
しかし最近は、良い参考書、特に日本語の参考書がほとんどありません。フラッシュメモリに関しては絶望的でした。
英語でも最新が2015年発行なのです。これでは古すぎて紹介できません。
もちろんお役立ちのウエブサイトを検索して勉強する、というやり方はあります。
企業のウエブサイトが参考書となりそうなコーナー(フラッシュメモリとは限りません)を設けているのをしばしば見かけますし。
自分も参考にさせていただいております。ただし、技術情報に関しては執筆者の理解度を超えた詳細は記述できないという弱点があります。
結局のところ、オープンアクセスの論文PDFが最も参考になってます。
当たり前ですが、研究者・技術者が執筆したものが最も強い。もっと正確にいうと理解が難しい。きっつー。