Electronics Pick-up by Akira Fukuda

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富士フイルムの「ディープ紫外線(ディープUV)」の定義が完全に誤っている件

富士フイルムの日焼け止め製品のテレビコマーシャルを見て驚きました。
「ディープ紫外線防御技術」と歌うコマーシャルなのですが、「ディープ紫外線」を「波長が長くて肌の奥深くまで入り込む紫外線」と定義しています。

https://www.youtube.com/watch?v=xwMeIuzn0Xg


ウエブサイトでは「ディープUVA」と微妙に言い方を調整していますが、波長が長い紫外線イコール「ディープ」であることは変わりません。


しかしこの表現は、完全に間違いです。光学の世界では「波長の短い紫外線」を「ディープ紫外線(Deep UV)」と呼びます。

例:ディープ紫外線の定義(光源メーカーのウシオ電機ウエブサイトから)
http://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_ta/deep-uv.html


ウシオ電機様のウエブサイトでは、富士フイルムのサイトで呼んでいるUVA、UVB、UVCについても解説してくれています。
http://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_sa/ultraviolet_radiation.html


この波長域を見る限り、UVAをディープUVと呼ぶのは、明らかに誤解を呼ぶことが分かります。
UVCがディープUVの領域、というのが科学的に正しい理解です。


どうしてこんな基礎的な常識を、技術開発企業である富士フイルムが間違えているのでしょうか。ちょっと信じられません。早期の訂正を望みます。