前回、中央リニア新幹線の総工事費用回収について以下のように書いた。
年間365日を運行すると、年間収入は4204億8000万円となる。約4200億円だ。これに年間維持費2400億円を差し引くと、残り(利益)はわずか1600億円である。年間1600億円で5兆円を捻出するには、32年ほどかかる。
この計算には重要な問題がある。5兆円を無借金でまかなうという前提だからだ。それでは、5兆円をすべて借り入れでまかなうとどうなるだろうか。仮に利息を年間2%としよう。すると利払いは年間で1000億円となる。利息が年間3%になると利払いは年間1500億円。すると前述の年間利益1600億円とほぼ同額になってしまう。つまりこの条件になってしまうと、元金が何十年かかろうとも減らないのだ。
そうなると借り入れの金額を減らし、しかも利息も極限まで抑える必要が出てくる。例えば3兆円の借り入れで、利息が年率1%であるならば、年間の利息は単純計算で300億円となる。年間利益1600億円から300億円を払うと残りは1300億円。1300億円で5兆円を払うのには約40年かかる。だがこれはあまりにも楽観的であり、非現実的である。JR東海は元々、5兆円の負債を引き受けて発足した。それを25年かけて半分に減らしたのだ。
参考:http://blogos.com/article/70314/
言い換えると現在でも、JR東海は2兆5000億円の負債を抱えている。それなのに、新たに巨額の借金を抱えるプロジェクトを始めようとしているのだ。無謀といわずして何といえるのだろうか。
すみません。この話題はまだ派生して続きます。
【追記】リニア中央新幹線の問題はほかにもいろいろと指摘されています。本エントリーでは、環境問題等はあえてふれていません。
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