●明暗が分かれた韓国二大エレクトロニクス企業の四半期決算
2011年7〜9月四半期の業績が発表される時期になっております。朝鮮日報はSamusung Electronics(サムスン電子)の四半期業績が増収増益だったと報じています。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/29/2011102900398.html
売上高は前期比5%増、営業利益は同15%増です。業績好調に貢献したのはスマートフォンを有する通信事業部門で、過去最高の売上高と営業利益を出したとしています。記事中ではスマートフォンのシェアにふれており、「市場調査会社の米ストレッジ・アナリティクス(SA)によると、サムスン電子の第3四半期のスマートフォン販売台数は2780万台で、シェアは23.8%となり、初めて世界首位となった。アップルは1710万台、ノキアは1680万台だった。」と述べています。
一方、LG電子の四半期業績が営業赤字に転落したと中央日報が報じています。
http://japanese.joins.com/article/013/145013.html?servcode=300§code=300
テレビなどのオーディオビジュアル機器事業と冷蔵庫・洗濯機などの白物家電事業はいずれも黒字でした。ところが携帯電話事業が大きな赤字を出したために、全体として営業損失を計上することになったとのことです。最近のLG電子は調子が今一つで、「スマートフォンへの対応失敗で昨年4−6月期から経営実績が悪化してきた。昨年7−9月期(−1852億ウォン)、10−12月期(−2457億ウォン)は2期連続で赤字だった。しかし今年1−3月期(1308億ウォン)に黒字転換し、4−6月期(1582億ウォン)には黒字幅を拡大」と報じています。
●サムスン電子とLG電子の冷蔵庫が米国でダンピング販売の疑い
があるとして米国商務省による予備判断を受けたと中央日報が報じています。
http://japanese.joins.com/article/089/145089.html?servcode=300§code=320
対象となっているのは韓国とメキシコで生産された下段冷凍庫タイプの冷蔵庫です。ダンピング率(課税率)はサムスン電子の韓国製が32.2%、メキシコ製が36.65%、LG電子の韓国製が4.09%、メキシコ製が16.44%です。本判断は2012年3月に出るみこみで、本判断でもダンピング販売と認定された場合、両社が支払うアンチダンピング関税は年間、数十億〜数百億ウォンにのぼるとみられます。
●台湾TSMCの四半期利益はここ2年で最も少なかった
とTaipei Timesが報じています。
http://www.taipeitimes.com/News/biz/archives/2011/10/28/2003516826
7〜9月四半期の純利益は前年同期比35.2%減、前期比15.5%減の304億台湾ドル(10.1億米ドル)となりました。2009年4〜6月四半期に純利益244.4億台湾ドルを記録して以来の低い水準です。
2011年の年間売り上げについては米ドルベースで9%成長とみており、世界の半導体市場が1%成長、半導体ファウンドリ市場が4%成長であるのと比べれば高い水準であるとしています。
●電子ペーパー最大手の台湾E-Inkが過去最高の四半期利益を計上した
とTaipei Timesが報じています。
http://www.taipeitimes.com/News/biz/archives/2011/10/25/2003516589
7〜9月四半期の純利益は前期比20.6%増の22.5億台湾ドル(7457万米ドル)です。
●LSIがSSDコントローラ大手のSandForceを買収したと
The Registerが報じています。
http://www.theregister.co.uk/2011/10/28/lsi_buying_sandforce/
LSIから公式リリースが出ています。
http://www.lsi.com/about/newsroom/Pages/20111026cr.aspx
LSIは半導体ベンダーなのですがSSDも手掛けています。これまでSandForceのコントローラチップを購入してきたOCZなどのSSD競合他社にとっては難しいことになったといえます。
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