Electronics Pick-up by Akira Fukuda

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人とくるまのテクノロジー展(自動車技術展)2012レポートが掲載されました

CQ出版様のウエブ・サイト「組み込みネット」に「人とくるまのテクノロジー展2012」のレポート記事を掲載していただきました。


「電気自動車が住宅まわりの電力インフラの一部に――人とくるまのテクノロジー展(自動車技術展)2012」
http://www.kumikomi.net/archives/2012/05/rp19jsae.php
会場は大盛況で、震災からの立ち直りを感じました。


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電気自動車(EV)とハイブリッド車(HEV)は相変わらず注目を集めていました。電気自動車(EV)は航続距離の短さが弱点とされていますが、技術的には、航続距離を伸ばすことはできます。例えば慶應義塾大学が中心となって設立したEV開発企業のSIM-Driveは航続距離が300kmを超えるEVを試作していました。


ただし問題はコストです。まずバッテリが高価です。バッテリの容量を大きくすることによって車体重量が増加する問題が指摘されていますが、重量増よりもコスト増が大問題です。さらに、駆動力の伝達ロスを低減するためにSIM-Driveではインホイールモーターによる4輪駆動を採用していますが、これがまたコスト増になります。性能は物凄くてガソリンエンジン車を超えるのですが、実用的な価格にはなりません。


現在の実用的な回答は、EVベースのハイブリッド車、ということになりそうな気がしています。商用電源で充電し、ガソリンエンジンはなるべく回さない、ガソリンエンジンを回すのはまずはバッテリの充電用で、ガソリンエンジンの回転力は車両の駆動には使わない。坂道登はんや急加速といった負荷の大きな場合にだけ、ガソリンエンジンを駆動に利用する、という考え方です。

昨年のこの展示会で米国GMが展示した「シボレー・ボルト」や、
http://www.kumikomi.net/archives/2011/05/rp18car.php
今年では三菱自動車ハイブリッド車の展示がこの考え方によるものでした。電気自動車のバッテリには坂道登はんによる消耗が激しいほか、寒冷地になると実効的な容量が低下するという問題があります。内燃機関を補助的にでも使用することは、避けられないように見えます。