Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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ほとんど補助なしで海外取材を続けてきたが、オレはもうだめかもしれない

平素は大変お世話になっております。しがないフリーライターをご支援のみなさま、どうもありがとうございます。

昨今の経済情勢、特に出版不況にともない、ごく一部のイベントを除き、海外取材では旅費交通費を全額負担する状況がつづいております。

この厳しい状況が一段と厳しくなったのが2010年後半からであります。2010年7月〜12月には以下のイベントを取材し、たぶん日本では得られない情報をみなさまにお伝えしてきました。

Flash Memory Summit (NANDフラッシュメモリSSD、次世代不揮発性メモリ)
Hot Chips (プロセッサ、メモリ、FPGA
IEDM (CMOSロジック、メモリ)


以上のすべてのイベントは米国で開催されましたが、旅費交通費は自己負担です。中にはかなり先端的であり、掲載媒体のご厚意によって原稿料をいただいているイベントもあります。掲載媒体のみなさま、どうもありがとうございます。でも、収支はすべて赤字です。出張旅費すら賄えないイベントもありました。もちろん出張期間の経費(仕事場の家賃などの日割り計算)を勘案すると、すべて収支すれすれか赤字です。

2011年の海外イベントは

ISSCC (プロセッサ、メモリ)

を掲載媒体であるPCWatch様のご厚意によって旅費を賄っていただきました。苦しい中を、本当にありがとうございます。

そのほかのイベント

IRPS (故障解析、放射線ソフトエラー、信頼性)
IMW (メモリ)

は旅費交通費を自己負担しています。赤字で出張しています。


上記のイベントはすべて米国で開催されました。旅費はおおよそ、20万円ほどかかります。12万円が交通費、8万円が宿泊費というのがだいたいの内訳です。現実には19万円〜23万円という範囲です。


これを原稿料だけで賄うのはそれほど簡単ではありません。実績ベースですと収入総額は15万円〜23万円といったところです。生活費を勘案すると、いつも赤字です。日本で稼いだ分
を海外出張につぎ込んでいるという構図です。


それでも米国のイベントに行くのは、「日本にいては半導体の先端動向は分からない」ことが最大の理由です。日本は今震災で大変なときなのですが、世界は日本を待ってくれるわけではありません。日本がもたついているあいだに、どんどん進んでいってしまいます。


つまらない愚痴を書いてしまいました。苦しいのは自分だけではありません。苦しいなかをライター仲間はがんばっているのに。
みっともないものを書いてしまいました。でもこれがフリーライターの偽らざる現状でもあります。

どうか今後ともご指導ご鞭撻のほどをお願いいたします。