Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

IEDMを聴講せずに「IEDM特報記事」を執筆した日経エレクトロニクス


日経エレクトロニクス2007年12月17日号は、12月14日(金)に届いた。
「特報」欄に掲載された記事に違和感があった。


記事のタイトルは「NANDは20nm世代を視野,抵抗変化型メモリも続々
半導体製造の国際会議「2007 IEDM」から」
ダイジェストが以下のURLにある
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20071211/143950/



タイトルには「2007 IEDMから」とあるが、記事内容は、IEDMの講演を聴講して執筆されたものとはとても思えない。
12月9日に米国ワシントンDCのIEDM会場で配布が開始された論文集(正式名称はTechnical Digest)の内容とも、違う。論文集を読んで起こした記事とも異なるようにみえる。
日経エレクトロニクスの記事内容の方が、講演内容や論文集の内容に比べると、抽象的かつ貧弱なのである。たいしたことではないが、誤りもある(ここではあえて指摘しないでおく)。




そして14日に日本で届いた雑誌の制作スケジュールを考慮すると、IEDMを聴講してから記事を執筆したのでは、14日の配送に間に合わない。


日経エレクトロニクスのこの記事は、編集部が何らかの手段で講演内容および論文内容よりも抽象的な情報を入手し、記事を執筆したものと断定する。この断定が間違っているのならば、どうぞ指摘してほしい。私は、記事内容で取り上げられた講演のいくつかをIEDM会場で実際に聴講した。聴講内容のメモランダムが証拠として存在する。


不可解なのは、ウエブ・サイトTech-On!でIEDMの速報を数多く掲載しながら、日経エレクトロニクスにこんな貧弱な記事を掲載する編集部のスタンスである。Tech-On!は無料で読めるのに対し、日経エレクトロニクスは有料購読誌なのだ。読者に提供する情報の差異化が本来とは逆の方向になっている。無料情報の方がずっと豊富なのである。あえてこのタイミングで、紙媒体にウエブ・サイトよりも貧弱な情報の記事を掲載するとは、身銭を切っている読者をなめていやしないか。速報性を紙媒体で押しだすつもりなのかもしれないが、それはもはや無理がある。IEDMのような学会の速報をウエブ・サイトでやるのであれば、そもそも紙媒体に記事を載せるべきではないと考える。


まあそんな訳で、機会があったら日経エレクトロニクス編集部の意図を糾すことにします。結果が分かったらまた掲載します。