Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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NHKスペシャル「人事も経理も中国へ」


NHKスペシャル「人事も経理も中国へ」を視聴しました。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/070903.html
2007年9月3日(月)午後10時〜10時49分に総合テレビで放映された番組です。


以前から中国の大連に大規模なコールセンター(日本語対応)が置かれている、あるいは、大連に日本のソフトウエア開発企業のコーディング部隊が置かれているといった話を聞いており、関心を持っていました。そこでリアルタイムで視聴することにしました。




番組では日本IBMが総務部門をそっくり中国の大連に移転させた件を採り上げていました。IBMアジアの総務部門がすべて大連に移ったようにみえました。IBMは大連に総務を移転させただけでなく、日本企業から総務部門の業務を請け負うサービスを開始します。


大連の人件費は日本の5分の1以下。電子メールでのやり取りを前提に業務を定型化すれば、総務の仕事のなかでかなりの部分を中国に移管できることが分かりました。もちろん、日本語の読み書きや会話などができる中国人社員の育成が条件です。それでも日給800円以下(時給ではなく、日給です)ですから、物凄く魅力的な案件にみえます。


日本ではカタログ通販大手のニッセンが総務部門の一部を中国の大連に外注することを決め、引き継ぎを始めます。中国から、引き継ぎ役の若い女性が派遣されてきます。当然、日本側のベテラン社員は面白くありません。ですが、引き継ぎ役の仕事に対する熱心さと能力の高さにほだされて、ベテラン社員は態度を軟化させ、最後は引き継ぎに熱心に取り組むようになります。引き継ぎ役の中国人女性は農村部の出身で、両親が働きながら大学まで通わせてくれたことが途中で紹介されます。


このあたりはいかにもNHKがやりそうなストーリーで好きではありませんが、それとは別に想像に難くないことが一つあります。「派遣されてきた中国人の若い女性」が優秀で仕事熱心なのは当然だということです。高いコストをかけて日本に派遣する中国人社員は帰国したら、部下を教育して従える身だと考えられます。優秀かつ熱心な社員を請け負い側が選ばないはずがありません。


それからニッセン総務のベテラン社員が「会社は人員削減をしないと決めた。だから、これからは自分で何をするか考えてくれ。仕事を作りだしてくれ」と要求され、戸惑うベテラン社員の姿が描かれます。そこで疑問に思うのは、これまでニッセンは総務の社員に何を要求してきたのかです。そこを描かないと、会社側の主張の正当性が判断できません。



テレビの映像による迫力は多いにあるのですが、突っ込みが多いに不足していました。
そこは残念です。