以前に記事を執筆したインテル社の化合物半導体トランジスタがもう少し明らかになりました。
これがその記事です。この間のIDFで紹介されていたのでした。Beyond 22nmを担う技術の候補の一つとして取り上げられていました。
InSb(インジウム・アンチモン)と組み合わせる材料としてInAsSbとか書いていたのですが、はずれ。InAlSbでした。
格子定数をみるとInSbが0.647nm、AlSb(アルミニウム・アンチモン)が0.613nm、InAs(インジウム・ヒ素)が0.605nmでAlSbの方が格子定数のミスマッチが小さい。
バンドギャップをみるとInSbが0.17eV、AlSbが1.5eV、InAsが0.35eVでAlSbの方がバンドギャップの差を大きくとれる。
以上、どちらからみてもInAlSbの方が合理的でした。そこまできちんと調べれば当たったかも。
あとデバイスの断面構造図を拝見しますと、InAlSb層にリモートドーピングしたとあり、InSb層が量子井戸構造であることから、HEMTに近い構造であることが分かります。InAlSb層の伝導電子がInSb量子井戸層に貯まり、高移動度を有するキャリアとなる構造です。
ゲート絶縁膜は大問題です。やはり、ゲート電極は絶縁膜なしのショットキバリアでした。そうなると界面準位の問題とかいろいろ考えられますがまだまだ、そういった段階ではないでしょう。