Electronics Pick-up by Akira Fukuda

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パソコン小説(ノベル)の発展と今後(第1回)

 最近,書籍の小説をあまり読まなくなってきた。なぜだろうか。アタマが老化して文字を読めなくなってきたからか。否,文字はものすごい量を毎日読んでいる。だいたい仕事はフリーの編集者なのだ。文字を書きまくっているし,当然,読みまくっている。

 つまらなくなってきた,というのが理由の1つにあると思う。絶対値として面白くないのではなく,相対的なものである。パソコンで小説(ノベル)を読んでいる方がたぶん,面白いのだ。

 筆者はパソコンに詳しいわけではないし,パソコン・ゲームに詳しいわけでもない。ましてやメディア論の専門家でもない。だから,これから書こうとする小論は,専門家からすると的外れな部分があるだろう。何かおかしな記述があったら,遠慮無く指摘してくれるとありがたい。

 「パソコンで小説を読む」という行為を直接的に実現したのはPDFである。印刷品質の画面をモニターに表示してくれる。そしてカラー表示のコストが低い。
 カラー表示のコストが低いというのは,実はすごく大切である。印刷の世界では,カラー印刷というのはすごくコストのかかるシロモノだからだ。極論すると,白黒(モノクロ)印刷とフルカラー印刷のコストは4倍近く違う。白黒印刷だと輪転機が1回回れば済むところ,カラー印刷では4回転する。インクは黒(ブラック)以外に,イエロー,マゼンタ,シアンが加わる。

 書店で薄手のカラー写真集を手に取ると,価格が異様に高いとは思われないだろうか。それはこういった理由による。雑誌では編集長が台割にらみながら,コスト削減のためにいくつかの部分(16ページ単位の折り)をモノクロにならないか,あるいは2色刷りにならないか,思案することが少なくない。紙の世界では,「カラー=高コスト」なのである。

 米アドビシステムズ社がPDFを開発し,閲覧ソフトウエアを無料配布したときから,状況は少しだけど,変化した。ただし本当は大きく変化すると期待する向きもあったが,実際にはあまり変化しなかった,とも言える。--第2回に続く--