米インテル社が発表した新しいトランジスタ技術の記事(http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/02/10/006.html)が掲載されました。
インジウム・アンチモン(InSb)という化合物半導体を使った変わったトランジスタです。
この材料,エネルギー・バンドギャップが0.17eVしかありません。ガリウム・ヒ素が1.42eVなのでその8分の1にも達しません。こんなんで室温で動くのだろうか。というか,InSbはたぶん室温では半導体になりません。導体です。
リリースには量子井戸構造を使ったとありますがこのへんで低バンドギャップをなんとかしている可能性が高いです。量子井戸構造を作るには広バンドギャップの材料と組み合わせなければなりません。その材料が今回は分からず,すごく不満でした。例えばインジウム・ヒ素はバンドギャップが0.35eVとインジウム・アンチモンより広いので,InSbとInAsSbの組み合わせということも考えられます。
リリースでは室温で動いたかどうかも分からないんですよ。
リリース(http://www.intel.com/pressroom/archive/releases/20050208corp.htm)を読んだ方がいましたら,コメントいただけますと嬉しいです。