Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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告知)技術書の同人イベント「技術書典4」(4月22日 東京・秋葉原)にサークル参加します

告知です。昨年10月に続き、技術書オンリーの同人イベント「技術書典」にサークル参加します。

4月22日(日)に秋葉原UDXで午前11時開場です。

techbookfest.org


サークル名は「こじくれワークス」です。位置は「け17」となっております。

前回は準備不足のため、コピー本だけでした。しかも開始1時間半で完売していまい、ご迷惑をおかけしました。

今回は初の印刷本です。3点の頒布を予定しております。部数を増やしており、完売は狙いません。

2点は前回(技術書典3)で頒布したコピー本の内容をアップデートした新装刊本です。
SSDが壊れるまで」(SSDの信頼性基礎解説)
「HDD業界とSSD業界の基礎知識」

1点は新刊です。
「3次元NAND(3D NAND)フラッシュメモリの基礎知識」


以下のサイトでサークル概要と頒布予定物の内容一部を閲覧できます。

techbookfest.org


ご来場をお待ちしております。

コラム「デバイス通信」を久々に更新。シリコンフォトニクスの技術解説シリーズを開始しました

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「デバイス通信」を久しぶりに更新しました。


eetimes.jp

光ファイバー通信の基礎知識 (1/2) - EE Times Japan


シリコンフォトニクスの技術解説シリーズを開始します。imecの研究者がIEDM 2017のチュートリアル講演で述べた内容がベースです。


初回は光ファイバ通信の基礎知識を説明しております。
imecの講演では光ファイバ通信や光インターコネクト(光接続)などの説明をせずに、本論に入っています。

それではあまりに敷居が高そうなので、補足の説明を執筆しました。
特にショートリーチやロングリーチなどの用語は分かりづらく、自分も最初は戸惑いました。


シリコンフォトニクスは、サーバーやデータセンターなどの配線接続や信号伝送などを考える上で、極めて重要な技術となりつつあります。


お手すきのときにでも、記事を眺めていただけるとうれしいです。

コラム「ストレージ通信」を更新。ルネサスが独自開発したマイコン用埋め込みフラッシュ技術

EETimes Japan様から頂いておりますコラム「ストレージ通信」を更新しました。


eetimes.jp


マイコン大手ルネサスの埋め込みフラッシュメモリ技術 (1/2) - EE Times Japan


ルネサス エレクトロニクスが開発した埋め込みフラッシュメモリ技術「SG-MONOS(モノス)」の概要です。
フラッシュマイコンに使われております。


元々は、日立製作所が標準型EEPROMのために開発した技術「MNOS(エムエヌオーエス)」が基本です。
MNOSはチャージトラップ(電荷捕獲)方式の不揮発性メモリ技術で、1980年代に遡ります。当時、フローティングゲート(浮遊ゲート)方式の標準型EEPROMが多かった中で、異彩を放っておりました。


チャージトラップ方式は、原理的にはフローティングゲート方式よりも高密度化(微細化)に適していると言われております。CMOSロジックと相性も、フローティングゲート方式よりも良好で、プロセスの互換性が高いとされています。


ただし格子欠陥である捕獲準位を制御しなければならない。言い換えると酸化膜と窒化膜の欠陥を制御する技術が必要です。ここはノウハウといいますか、経験が要求されます。


ルネサスも実は、SSTのスプリットゲート技術をライセンス導入したフラッシュマイコン製品が多数を占めている時期がありました。単体のEEPROM製品から、埋め込みのフラッシュメモリ、しかも大容量品への転換には、それなりの開発努力が必要だったようです。

・・・・といったことまでコラムで書くとIEDMの講演を補完するどころか、まったく別の記事になってしまう。このため、今回は割愛しております。


機会を改め、別の方向でチャージトラップ方式については書こうかなと考えております(というテーマが今、降ってきました)。

コラム「セミコン業界最前線」を更新。中国半導体産業の現状を解説

PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。

pc.watch.impress.co.jp

【福田昭のセミコン業界最前線】中国の半導体産業、低い自給率と巨大な貿易赤字の緩和が課題 ~SEMICON CHINA 2018講演会レポート - PC Watch


中国上海で開催された展示会兼講演会「SEMICON CHINA 2018」の講演から、中国の半導体産業の現状を解説しております。

2017年の最新データが盛り込まれているのが、過去の類似記事に比べて新しい点です。


講演スライドの大半は中国語(簡体字)なので、翻訳にかなり苦労しております。

現在のやり方はこうなっています。
画像をまず、文字認識ソフトで読み込む。オンラインの文字認識ツールを利用しています。
ツールの出力はテキスト形式です。

抽出したテキストを百度(Baidu)のオンライン翻訳ツールで英文に変換します。
百度を使うのは、中国語の精度がGoogle翻訳よりも高いからです。特に、繁体字簡体字が混ざっていても、かなり正確に認識してくれるので重宝します。
一方で出力は英語の精度が圧倒的に高く、日本語の精度はものすごく低くて使いものになりません。

一方で、抽出したテキストの中で怪しい部分を日本の漢字に変更して百度(Baidu)の検索エンジンに入力します。
この作業によって文字認識の精度を高めます。

文字を入れ換えて精度を高めたテキストとを、百度のオンライン翻訳に入力して再度、英文に変換します。

以上の作業を、適切と思える精度が得られるまで、繰り返します。
意味が誤りなくつかめるようになり、記事水準の情報が得られるまでの手間は、英文スライドに比べると、3倍~10倍でしょうか。

かなりの手間です。


手間がかかっている割には、日本の皆さまの中国半導体産業に関する定量的な関心は低いようで。
ちょっとくじけてます。

おてすきのときにでも、眺めていただけると、筆者のやる気がアップします。すみません。